環境アンケート調査の結果報告と平成31年度への展開

  • 4 質の高い教育をみんなに
  • 13 気候変動に具体的な対策を

 平成30年8月2日に実施した環境報告書2018 特集「環境座談会」において,駒田学長の発言「(環境に関する)アンケート調査を今年度中に実施してデータをオープンし,問題点を洗い出して,できれば解決方法も考えて頂きたい」を受け,学生を対象に「環境アンケート(意識調査)」を実施しました。

  • H30.8.2 環境座談会 駒田学長

    環境座談会 駒田学長(H30.08.02)

1.アンケート調査の目標
 学生の環境に対する「認識・意識・行動」について現状を把握し,本学が進める「環境先進大学」としての役割と位置づけ,到達点(教育効果など)の設定を明確にすることを目的としたアンケートです。

2.調査期間
 調査期間:平成30年10月1日~10月31日

3.回答数
 回収者数:883人 回答率:12.3%が回答
 (学部学生6,055名,大学院生1,138名 平成30年5月1日現在)

4.環境アンケート結果の要約

環境に対する認識について 

  • 環境問題に関しては,学生の認識は,地球温暖化に対して87%が問題であると認識し,ごみ処理は深刻な問題であるという認識は,93%と高い認識であった。 
環境報告書ガイドライン2018

環境に対する意識と行動について 

  • 冷暖房が効きすぎていると,「もったいない」と思う回答は57%に対して,冷暖房は効きすぎないようにしているという行動は78%と,冷暖房の省エネ行動は省エネ意識を上回る結果になった。
  • つけっぱなしのテレビやパソコンを見たら,「電気がもったいないな」と思う回答は78%に対して,テレビやパソコンの電気はこまめに消しているという回答は75%となり,意識と行動がほぼ同数の結果になった。
  • 誰もいない教室で電気が点けっぱなしになっていたら,「電気がもったいないな」と思うという回答は,85%と高い結果になったことに対して,誰もいない教室で電気が点けっぱなしになっていたら消しているという回答は64%となり,無駄な照明について意識が高いが,行動が少し低いという結果に差が出た。 
  • 省エネ意識としては,視覚から得られる「無駄な電気機器の使用」は比較的もったいないという意識が働きやすいが,空調温度の体感(肌感覚)でしか得られない無駄は,「もったいない」という意識が生まれにくいという結果になった。
  • ボランティア活動に関して,地域の清掃活動などボランティア活動に参加したいと思うという回答は半数近い49%の結果となったが,地域の清掃活動などボランティア活動に参加しているという回答は17%となり,ボランティアに対する参加意識があっても,実際行動に移すという回答には約3倍の差が出た結果になった。

その他

  • 環境に関する対話の設問を行った結果,友人と節電やごみ問題について話をすることがあるという回答は16%,家族と話をすることがあるという回答は30%の結果となり,友人と話をするよりも家族と話をする機会が多い結果がでた。
  • 女性と男性の回答を比較すると,環境の認識,環境の意識,環境の行動の全てにおいて女性が高い結果(5ポイント以上の差)が出た。

5.アンケート調査実施者
 責任者:国際環境教育研究センター長

6.環境アンケート実施と回収,および募集方法

  • 環境・情報科学館1階大型ディスプレイの表示

    環境・情報科学館1階大型ディスプレイの表示

7.参考にしたアンケート
 調査名:平成25年度大学生エコライフ推進プロジェクト アンケート調査報告書
 発行:京都市環境政策局地球温暖化対策室

8.アンケート実施から結果公表までの流れ

  • 8月2日 駒田学長が学生にアンケート調査実施の指示
  • 8月~9月でアンケート項目の検討とアンケートサイトの構築
  • 10月1日~31日 学生アンケート実施
  • 11月1日から集計開始
  • 11月28日に,学長にアンケート結果の報告
  • 12月~1月15日まで,各学部にてアンケート結果公表に向けた意見調査
  • 1月18日 国際環境教育研究センター運営会議にてウェブ公表の審議
  • 1月18日から,アンケート結果をウェブ公表

 詳しくは,http://www.gecer.mie-u.ac.jp/news/post-211.html

9.アンケート結果の利用方法
 環境アンケートの結果により,学生の環境意識と認識をより高めて,行動を促すために有効な環境啓発活動と環境教育を見直すことを目的として,平成31年度の「EMS(環境マネジメントシステム) ISO14001規格では,「組織のマネジメントシステムの一部で,環境方針を策定し,実施し,環境側面を管理するために用いられるもの」と定義されている。年間計画」の策定のためのデータとして用いました。

令和元年度「EMS(環境マネジメントシステム)年間計画」に2つの目標を追加(該当抜粋)
目的 目標 具体的対策
環境マインドの育成 環境アンケート結果より,環境知識を環境行動に移すための施策を講じる 環境行動に移すためMIEUポイントの活用(環境行動の項目の追加)を検討する
環境アンケート結果より,本学の環境取組について学生の認知度を高める施策を講じる 環境報告書の発行後に周知用の展示パネルを作成して掲示する
本学環境取組のSDGsを学内周知する
令和元年度「EMS(環境マネジメントシステム)年間計画」に2つの目標を追加(該当抜粋)
目的:環境マインドの育成
目標 環境アンケート結果より,環境知識を環境行動に移すための施策を講じる 環境アンケート結果より,本学の環境取組について学生の認知度を高める施策を講じる
具体的対策 環境行動に移すためMIEUポイントの活用(環境行動の項目の追加)を検討する 環境報告書の発行後に周知用の展示パネルを作成して掲示する
環境報告書の発行後に周知用の展示パネルを作成して掲示する

 同様の環境アンケートは,次回3年後または5年後を目途に実施を予定しており,次年度以降の見直しの効果を図ることと,本学が目指す「環境の文化が根付く大学」の実現に向けた指標の一つになりうると考えています。

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