三重大学医学部附属病院医療救護班による
G20大阪医療支援についての報告

  • 3 すべての人に健康と福祉を
  • 11 住み続けられるまちづくりを

 令和元年6月に大阪市で開催されたG20大阪において三重大学医学部附属病院医療救護班は現地に赴き医療支援を行いました。

 医療救護班の構成は医師・看護師・臨床工学技士の4名で,医療資器材を満載したドクターカーで関西国際空港に行き,鳥取大学班などと共に関西国際空医療班を構成し,関西国際空港G 20医務室に24時間体制で待機しました。そして,海外からの賓客や外交官などに傷病があった場合には医務室や機内で診療したり病院搬送の救急車や防災ヘリに添乗したりするのに備えました。同時に,航空機事故やテロなど大災害の発生に警戒し対応態勢を整えていました。

 日本政府が海外から公式に招いた賓客や外交官が患者になる訳ですから,診療に際し相手側の背景事情を尊重することが特に求められ,例えば医師が患者に直接話しかけたり触れたりするのすら避けるべき場合もあります。また,政府,地方自治体,消防,警察,空港管理者などとの連携が重要で,日常診療とは異なり特別な配慮が必須です。

 結果として,VIP診療対応となる傷病は無く,G20に関連した大事故災害テロは発生せず,無事に任務を遂行して帰還できました。今回の事例は,三重大学として貴重な経験となり,事前準備・情報管理・遠隔出動・事後検証など知識と技能を蓄積し,災害時の保健医療支援活動を国内外で応用する良い事例となりました。

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〈医学部附属病院災害医療センター〉武田 多一(病院教授)

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