3環境・SDGsコミュニケーション
環境ISO学生委員会
- 2 飢餓をゼロ
- 4 質の高い教育をみんなに
- 11 住み続けられるまちづくりを
- 12 つくる責任つかう責任
- 14 海の豊かさを守ろう
- 15 陸の豊かさも守ろう
- 17 パートナーシップで目標を達成しよう
概要
環境ISO学生委員会は、平成18年2月21日に「MIEキャンパス宣言」を掲げ、学生の環境マインド向上を活動理念として発足しました。学内・学外での活動を行っており、3Rと緑化、地域連携活動に大別されます。
3R活動では、卒業生から不要になった家具や家電、自転車を回収し、主に新入生へ譲渡しています。また、エコキャップ回収活動や生協と連携してリ・リパックの回収を行っています。緑化活動では、緑のカーテンの設置や花壇の整備など、学内の緑化活動を行っています。地域連携活動では、近隣住民と連携して、海岸清掃の実施や環境イベントへの出展を行っています。そして、SNSやWebサイトなどで学生や地域の方々に情報発信をしています。これらの活動を通じて、「環境先進大学・環境の文化が根付く大学」を目指して学生目線の活動を行っています。
緑化活動
<屋上緑化>
環境・情報科学館の屋上では、建物の冷房負荷の軽減、温室効果ガス吸収、景観美化を目的とした緑化活動を行っています。
令和5年度は、新型コロナウイルス感染症予防のため、屋上は開放されませんでした。そのため、除草を実施し、子宝弁慶草が越冬できるかの検証を行いました。
令和6年度から、平日の9時30分から16時に屋上が開放され、学生と教職員が自由に立ち入ることができるようになりました。色とりどりの花に囲まれて心穏やかに過ごせられるような花壇を目指し、定期的な除草と季節に適した植物の植栽を行います。
<落ち葉コンポスト>
学内にはさまざまな種類の木々が植えられ、緑あふれるキャンパスとしての役割を果たしています。一方、寒い季節になると落葉し、側溝に詰まり排水を妨げます。そこで、資源循環の観点から、その落ち葉を堆肥化するべく、平成19年度に活動を開始しました。
まず、学内の清掃・緑化活動を行っているキャンパス環境整備室から、回収した落ち葉の提供を受け、コンポストと呼ばれる堆肥をつくる場所へ運びます。その後、落ち葉の山をスコップでかき混ぜ水をかけ、中の微生物に落ち葉の分解を促す「切り返し」と呼ばれる作業を1か月に一度行います。この作業を1年ほど繰り返すと、落ち葉が細分化され堆肥が完成します。
令和5年度は、教職支援センター前と環境・情報科学館屋上の花壇に施肥し、資源を有効活用することができました。
<グリーンカーテン>
毎年、緑化活動の一環として、環境・情報科学館前のプランターで行っている取り組みです。夏場の室温低下および景観美化を目的として行っています。令和5年度は、ゴーヤと朝顔でグリーンカーテンを作りました。40個あるプランターを20個ずつ利用しました。多くのゴーヤの収穫に成功し、美味しくいただきました。また、令和6年度分の朝顔の種も取ることができました。つ・環境フェスタの「グリーンのカーテンコンテスト」では、事業所部門優秀賞を受賞しました。
令和6年度は、朝顔とキュウリのグリーンカーテンに挑戦しています。40個あるプランターを20個ずつ利用します。景観やツルの広がり具合を考慮し、どちらがよりグリーンカーテンとして優れているか考察する予定です。調べてみると、キュウリはあまり高く育たないそうですが、できるだけ高く育つように管理していきます。
4月に植栽を行いましたが、キュウリの成長があまりよくなく、追加で苗を作っています。ゴーヤのグリーカーテンより大きく成長するよう、委員会メンバーで手入れをしていきます。
<食用カンナ>
食用カンナは、令和4年度より教職支援センター前の花壇で始めた活動です。令和5年度は規模を拡大して、本学の研究に使用されている畑のうち、36 ㎡を借りて栽培しました。2年続けた食用カンナの活動は、令和5年度で終えました。結果は、6章 環境・SDGs研究にて紹介していますのでご覧ください。
https://emr.gecer.mie-u.ac.jp/2024/6-7
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食用カンナの収穫の様子(R5.11.26)
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収穫した食用カンナ(R5.12.15)
<教職支援センター前の花壇(通称ISO花壇)>
令和5年度は、夏はサンパチェンス、冬から春にかけてはチューリップを栽培しました。目的は、学生の環境マインド向上や景観美化です。冬には落ち葉コンポストの堆肥を活用し、資源を有効活用することができました。課題は、土の性質上、水はけが良すぎてしまい、植物の成長に影響が出てしまったことです。
令和6年度は夏にヒマワリを育てることを予定しています。ヒマワリは、土壌深くまで根を張る習性(深根性)を備えているため、保水性や浸透性の向上といった土の物理性の改善に役立つという特長があります。保水性を少しでもよくするため、この花に決定しました。冬には令和5年度のチューリップの球根を利用して育ててみたいと考えています。業者から買った球根と一度花が咲いた球根で花の違いが見受けられるのか観察する予定です。
放置自転車対策活動
本学は広大なキャンパス面積を有しているため、多くの学生や教職員が登下校や学内の移動に自転車を利用しています。学内の駐輪場には常にたくさんの自転車が止められていますが、その中には盗まれたり、壊れたり、卒業に伴って不要になった、さまざまな理由で放置された自転車が数多くあり、放置自転車が問題となっていました。これらの自転車の放置は駐輪スペースの占領、緊急車両通行の妨害や景観悪化の問題を引き起こします。そこで平成19年度より、当委員会が学務部に協力する形で放置自転車対策活動が始まりました。
本活動は回収・修理・譲渡といった一連の流れを1年を通して行っています。
学内の放置自転車の数は年々減少傾向にあります。回収した自転車は持ち主に確認をとり、引取拒否や持ち主不明などの放置自転車を当委員会で修理し業者の点検を経て、本学に入学する留学生に無償で譲渡することで資源のリユースにつなげています。放置自転車として回収した265台のうち修理可能と判断した1台の自転車を修理し、計21台の自転車を留学生を中心に譲渡しました。
また令和5年度から開始した、3月に行われるリユースプラザでの自転車回収では12台を卒業生から回収しました。リユースプラザにて回収した自転車は、3月の譲渡会では譲渡せず、防犯登録の削除と修理を行った後、留学生へ譲渡を行う予定です。
3R活動
<リ・リパック回収>
リ・リパックは、表面のフィルムを剥がすことで容器を再利用できるお弁当の容器のことで、三重大学生活協同組合で販売されています。当委員会では、三重大学生協学生委員会の方と協力して、月に1回を目安に学内各所のリ・リパック回収ボックスよりリ・リパックを回収し、三重大学生活協同組合の方にお渡ししています。ただし、リ・リパックは回収率が40%以下になると環境への負荷の方が大きくなってしまいます。リ・リパックの回収率を上げるため、ポスターの掲示を行っています。回収率は上昇傾向にあります。
令和5年4月から令和6年6月にかけて、当委員会では4,212個のリ・リパックを回収しました。
<古本回収・譲渡>
当委員会では、不要になった古本を、学内に3か所ある古本回収ボックスにて回収し、無償で三重大学生や教職員に譲渡する古本市を開催しています。回収した本は分類コードに従って分類し、状態が悪いものは古紙として処分・再生利用しています。小説や漫画、各学部・学科の専門書など、さまざまな本が手に入ります。
令和6年6月に行った第16回古本市では、315冊を用意し、207冊を譲渡し、譲渡率6割を達成しました。
古本市(R6.6.7)
古本市(R6.6.7)
<インク・トナーカートリッジ仕分け作業>
エコステーションではインクカートリッジ・トナーカートリッジ回収も行っており、当委員会は「インクカートリッジ里帰りプロジェクト」に参加しています。
令和5年4月から令和6年6月にかけて、2回の仕分け作業を行いました。
<エコキャップ回収・譲渡>
ペットボトルのエコキャップは、大学構内のエコステーションという場所で回収しており、月に1回の回収作業を行っています。エコステーションでは、ほかにもさまざまな資源を回収しています。
エコキャップを回収することの意義は二つあります。一つ目は、エコキャップをごみとして処理する際のCO₂の排出量を減らすことができるということです。
令和5年4月から令和6年6月には計4回の譲渡を行い、エコキャップの総重量は697 kg、CO₂の削減量は2.195kgでした。
(1kgのキャップを燃焼処分すると、3.150gのCO₂が発生するものとして換算)
エコキャップの主な素材である、PP(ポリプロピレン)とPE(ポリエチレン)に含まれる炭素の原子量から燃焼時に発生するCO₂量を求めています。
具体的な計算方法は以下の通りです。
PPはC₃H₆(42)、PEはC₂H₄(28)ですので、PP、PEの質量をそれぞれ1としたとき、炭素の質量は36÷42、24÷28よりどちらも0.857となります。また、これらの焼却はC+O₂→CO₂と表され、炭素C(12)がCO₂(44)として排出されるということが分かります。
つまり、炭素は44÷12=3.6667 倍の質量のCO₂になって排出されるということです。
そのため、0.857(PPとPEに含まれる炭素)×(燃やした時の増分)=3.15となります。
よって、1㎏のエコキャップを燃やした場合、3.15㎏(=3.150g)のCO₂が排出されるという計算になります。
(※原子量:H=1、C=12、O=16として計算)
エコキャップ回収の意義の二つ目は、困っている人々のもとにワクチンを届けることができるということです。エコキャップ860個1人分のワクチン接種をすることができます。
エコキャップ回収(R5.6.29)
エコキャップ譲渡(R6.6.4)
<古紙回収>
エコステーションでは、古紙の回収も行っています。プリントやレポート用紙など、エコステーションで回収した古紙を、学内の古紙回収BOXに運ぶという活動です。古紙回収BOXに入れられた古紙はトイレットペーパーにリサイクルされ、本学に還元されています。段ボールはエコステーションでは回収対象ではないので、注意喚起のポスターを掲示しています。
令和5年度は計2回の回収を行いました。
<リユースプラザin三重大>
リユースプラザは、卒業生から回収した不要な家具・家電(冷蔵庫や洗濯機、炊飯器、棚など)を、動作確認を行い、在学生に無償で譲渡するイベントです。当活動は、三重大学生によるものと考えられる町屋海岸への不法投棄を防ぐために始まりました。実際に、当活動開始以後、町屋海岸への家具・家電の不法投棄は減少しています。加えて、捨てられるはずだった家具・家電を回収・譲渡することで資源の再利用につながります。リユースプラザでは自転車の譲渡も行っています。
令和5年度リユースプラザの譲渡率は、家電は95%、家具は77.8%、合計80.5%でした。
地域連携活動
<町屋海岸清掃>
町屋海岸は、本学から歩いて5分ほどのところにある海岸で、過去に家電やペットボトルのポイ捨てなど、さまざまなごみの不法投棄が問題とされていました。これを知った当委員会と地域住民が協力して立ち上がり、「裸足で走れる町屋海岸」を目指して年5回、町屋海岸清掃を実施しています。この活動では単に海岸清掃をするだけではなく、その中で環境問題を自分にとって身近なものと捉えてもらい、環境について改めて考えてもらうきっかけにしたいと考えています。また、清掃を通じて地域の方々との交流が広まることで、年代や立場に関係なく、さまざまな人とのつながりを築く場になることを目標としています。令和5年度は、計5回の実施で、毎回100名ほどの地域の方々や三重大学生・教職員に参加していただきました。
<環境学習>
環境学習は、本学近くの北立誠小学校の協力のもと、児童の皆さんが環境について考えるきっかけをつくることを目的に実施しています。授業内容として、外来種や3Rなど身近な事柄を扱い、環境問題が身近な問題であることや、環境問題について私たちができることを伝えることを目標としています。また、座学の授業だけでなく、クイズやゲームなど実践で学ぶことができる要素も取り入れることで、より興味を持ってもらうことや、より記憶に定着させることを目指しています。令和5年11月30日には、コロナ禍以来4年ぶりに実施することができました。外来種についての授業とクイズ、外来種に関するゲームを行いました。
<環境デーなごや>
「環境デーなごや」実行委員会主催の環境デーなごや2023に参加しました。
環境デーなごやは、「パートナーシップで創ろう“環境首都なごや”」をテーマに環境問題について考え、理解、関心を深めよりよい環境づくりに向けて行動を実践する契機づくりのためのイベントです。
令和5年度のテーマは「3Rでつなげよう!減らして分けて持続可能な未来へ」で、当委員会はそのテーマに合わせて、エコすごろくとビンゴラリーを出展しました。
当日はさまざまな団体がブースを出展しており、私たち自身の環境に対する意識、モチベーションの向上につながりました。
<三重大学祭>
三重大学祭では、ペットボトルボウリングと牛乳パック輪投げを出展しました。
大学祭を訪れる参加者に対して大学祭を楽しんでいただくとともに、身近なペットボトルや牛乳パックを利用した遊びを通して、ごみの処理や分別、再利用の方法を考えてもらうことを目的にこれらを企画し、大学祭当日は事前に想定していたよりもかなり多くの皆さんに参加していただくことができました。
遊びながらその原材料に注目してくださる参加者を見て、委員会生のみが環境を守ろうとする意識を高めるだけでなく、そのことを周りの人たちに伝えていくことの大切さを感じることができました。
<Webサイト>
当委員会の活動を学内外へ広報するために、平成18年度からWebサイトの運営を開始しました。大学の公式Webサイトの一部として責任を持って運用しております。主にイベントの告知やイベントの予約フォーム、活動報告のために利用しています。また、Webサイトの改修案の提出を行いました。これにより、Webサイトを見た人が得たい情報を得られやすくなると考えております。また、Webサイトはどこからでも手軽に見られることから、今後もこの良さを活かして運営をスムーズに進行させることにつなげられそうです。
<SNS>
より多くの方々への発信を目的に当委員会はX(旧:Twitter)を運用しています。主にイベントの告知と活動報告を行っております。多くの人に見てもらえる点、手軽に投稿ができる点や、「いいね」や「リポスト」によって情報を受け取る側の反応が可視化されている点で重宝しています。当委員会と似た他大学の団体とのつながりがつくれる点も魅力的です。Xを含めSNSは現在多くの人が日常的に利用するものとなっており、これをうまく利用していくことが広報をより効果的に行うことにつながると考えています。X以外にもInstagramの利用を開始しています。Instagramでは画像を中心とした広報活動ができるため、より多くの人に活動内容を知ってもらう機会になると考えております。
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プロフィール画面
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Instagram投稿一部(R6.5.14)
<活動記録としての写真撮影>
令和5年度に引き続き、各部班が行うイベントに積極的に参加し、活動の様子を撮影しています。文字による活動の記録も大事ですが、その時の様子を写真でより鮮明に残すことは委員会の次の世代の活動に活かせると考えています。また委員会での思い出として各部班員の日々の活躍を記録しています。