3環境・SDGsコミュニケーション
附属特別支援学校の取り組み
- 4 質の高い教育をみんなに
- 12 つくる責任つかう責任
自然環境にやさしい作業学習の取り組み
本校では、自然や環境を大切にする学習の一つとして、牛乳パックからの再生紙や小物づくり、腐葉土を利用した園芸活動を行っています。
中学部では、不要になった包装紙や端切れの画用紙を利用した「ペーパーボックス」や「油吸い取りパッド」、コンスターチを主成分としたブラジル式粘土のビスクイを成形した「掲示用マグネット」を作って学校祭で販売しています。
また、高等部では牛乳パックから紙すきによる製品(はがき、ラベル、しおり、メモ帳)の製作を行っています。製作工程は牛乳パックのコーティングはがしから始まり、できるだけ細かく裂いたあと、ミキサーでゾル状になるまで攪拌します。その後、紙すき器具で紙の繊維をすくい上げ、乾燥させ圧縮機で成形します。できあがった紙は、目的の製品に応じて裁断したり、クラフトパンチでハート形や星形などに切り取ったりして製品化します。
こうした作業学習は、作業工程をしっかり理解しながら、細部にまで注意を払い完成させることを通して、集中力や持続力を高めることを目的としています。
また、作業学習における「モノづくり」は、自らが製作した製品に愛着を感じ、身近なものを大切にする気持ちを育むとともに、廃棄される資材を再利用することで持続可能な社会への転換を意識づける「もったいない」という考え方を深めていく学習活動として位置づけています。
ペーパーボックスづくり(R6.5.23)
油吸い取りパッドづくり(R6.5.23)
和紙づくり(R6.6.13)
掲示用マグネット(R6.1.26)
高等部の農園芸活動では、1000㎡の農場で1年間を通して、季節ごとの野菜作りを行っています。作業内容は、「土づくり」「畝づくり」「種まき」「植え付け」「生育管理」「収穫」「出荷準備」「出荷」まで、農業を仕事として捉えられるようにしています。
特に品質のよい野菜を作るために、農場に生えている雑草や収穫が終わった植物の枯葉などを堆積場に集め、鶏糞と混ぜながら発酵させることで堆肥とし、土壌づくりに利用しています。
収穫した野菜は、幼稚園の保護者対象にした販売や中央卸売市場への出荷など作った野菜を市場に流通させることは、自分たちの働きが社会の一役を担っていることを認識させ、努力の結果が収益となることを実感させることにつなげています。
こうした農園芸活動での体験は、自然環境や生き物への興味・関心を高め、自然環境を保持していく知識や技能の獲得につながるとともに、時期や場面で必要とされるさまざまな作業を仲間とともに分担をしながら、直面する課題に対して適切に対応する能力も育んでいきます。
腐葉土づくり(R6.2.1)
大根の種まき(R5.9.20)
じゃがいもの収穫(R6.5.17)