第三者評価 中部電力株式会社

 中部電力株式会社の経営戦略本部CSR推進グループ、総務・広報・地域共生本部 環境グループ・地域共生三重グループの8名の方々から「三重大学環境・SDGs報告書2024」に対するご意見を頂きました。

〈全般事項〉

 表紙は、色使いもよく、自然との共生や環境を意識していることが、よく伝わりました。
 Webサイトでの報告書ということを活かして、動画コンテンツ(3章 四日市CNXPJ、5章 令和6年度共通教育オンデマンド授業)を用意されているのが新規の取り組みで工夫されたと感じました。
 学生の主体的・積極的な関与や地域連携に関する内容が充実しており、共感できました。
 各コンテンツをそれぞれご担当の方が執筆され、手作り感があってよいと思います。
 貴学が目指す姿や計画・方針から始まり、歴史、取り組み内容・実績、マネジメントシステム、といったように、よりストーリー性を意識した構成になっていると、世界観が伝わってよりよくなると感じました。

回答
 よりストーリー性を意識した構成を来年度以降の課題として検討致します。

 コンテンツの全体が一目で分かるような工夫(記事一覧や目次的なもの)があると、全体像が掴め、閲覧したいコンテンツの検索がしやすくなると思います。(SDGsについても、上記の工夫に、該当するゴールも併記すると、よりSDGsを意識していることが強調されよいと思います。)
 上部の見出しのタイトルに「第〇章」も入れた方が閲覧しやすく、分かりやすいと思います。

回答
 トップページの下部にコンテンツを表示し、記事一覧のバナーを上部に設けています。SDGsにつきましても各記事にGoalを表示し、Goalから該当記事を検索できるバナーを設けています。よりコンテンツ全体が分かりやすくなるよう来年度以降の課題として検討致します。

〈個別事項〉

第1章 三重大学の概要

「環境報告ガイドライン2018年版 対照表」
 対照表により、読み手が迷わずに項目を探せる点は非常に便利だと思いました。

「編集後記」
 制作担当者が制作の背景や込めた想いなどを語っていることで、読み手の理解がより進むと思いました。

「メンバー一覧」
 報告書の作成に多くの学生が参加しており、教員、事務職員のほか、多数を占める学生の役割は大きいので大変よい取り組みだと感じます。
 「メンバー一覧」の項目があることで、作成に携わった学生の知人などがアクセスする機会が増えると感じました。

第2章 特集

「特集1 大学の活動」
 環境ラウンドテーブル・ディスカッションでは、教授や学生、留学生などを交えて、多角的な視点でディスカッションが行われていることは非常に好印象です。
 ディスカッションでのコメントの吹き出しの先は本人の名前だけでなく、顔写真+名前のようにした方がよいと感じました。(名前だけであるとどの立場(教授・学生など)のコメントか瞬時に分かりにくいため)

回答
 イントロダクションにて顔写真および名前を表示しています。コメントの吹き出しについては、来年度以降の課題として検討致します。

 2023は、「座談会」とし、2024は、「ラウンドテーブル・ディスカッション」と名称が変更となっていますが、「ラウンドテーブル・ディスカッション」としたことで、参加者からの更なる自由な発言を期待したなどの目的はあったのでしょうか。

回答
 その通りです。以前から名称の変更については、意見がありましたが変更には至りませんでした。変更理由については、以前からの「環境座談会」という堅苦しい名称からより参加者から意見が出やすいよう「ラウンドテーブル・ディスカッション」に名称を変更しました。

 「ダイバーシティの視点から考える環境とSDGs」において、金子副学長が発言されている、「学生から見た今後のダイバーシティの重要性について、環境の多様性も含めて感じることを教えてください。」について、ここでいう環境は、身の回りを取り巻く環境という理解でよいでしょうか。「環境の多様性」とはどういった趣旨でしょうか。

回答
 身の回りを取り巻く環境という理解でよいです。「環境の多様性」という概念は、時代と共に変化してきました。かつては、化学物質による環境汚染が主な問題であったのに対し、現在ではLGBTQなど、社会的な多様性も環境に関連する重要な要素となっています。国際性やダイバーシティも広義の環境として取り扱われるようになりました。また、SDGsの中にはGoal 5「ジェンダー平等を実現しよう」が含まれており、環境を考える際には広義の視点が求められています。これにより、環境の多様性を考慮する必要性が一層高まっているのです。

「特集2 卒業生の活動」
 卒業生の活動紹介は、これから入学を検討している学生だけでなく、卒業後の進路や大学に入ったものの自分の方向性を見出すことに悩んでいる在学生に対しても、強いインパクトを与える内容だと思いました。
 「卒業生の活動」にサブタイトルをつけると、ページをクリックする誘因になると考えます。

回答
 ページをクリックする誘因となるようサブタイトルをつけるなど来年度以降の課題として検討致します。

第3章 環境・SDGsコミュニケーション

「三重大学環境・SDGs学生プラットフォーム」全般について
 学生団体として学生委員会や地域貢献サークルが紹介されていますが、地域貢献型の学生団体だけでなく一般の学生団体のSDGs活動も募集して入れることが出来ると、三重大学全員が意識して取り組んでいることがより伝わるように感じました。
 例1:学園祭実行委員会 学園祭内でリサイクルボックスの設置、
 例2:各部・サークル 合宿の食事の際、使い捨て食器ではなく、洗って使い続けられるものを使用 など

回答
 一般の学生団体のSDGs活動を紹介することについて、来年度以降の課題として検討致します。

 継続的な活動が多いと思いますが、例えば、今年新たに取り組んだトピックス的なものなどがあればそれを分かりやすく(目立つように)見せるとさらによいと思います。

回答
 新たに取り組んだトピックス的なものを分かりやすく見せることについて、来年度以降の課題として検討致します。

「環境ISO学生委員会」
 SNSについて触れられる中で、instagramやXといった若者に馴染みのあるツールでも情報発信を行っている点がよいと思いました。

「附属学校の活動」
 附属学校においても活動を実施していることを紹介することで、大学だけでなく三重大学グル-プ全体でSDGs活動を行っていることが分かり、すばらしいと思いました。

第4章 スマートキャンパス 

「三重大学カーボンニュートラルに向けた取組計画」
 年次計画(ロードマップ)が、温室効果ガス排出量の推移とともに掲載されている点がすばらしいと思います。
 「温室効果ガス排出量の推移」については、2023年度までのデータは実績、2024年度以降は目標ということでしょうか。

回答
 その通りです。2024年度以降は、中期目標として2030年、長期目標として2050年までに取り組むべき事項としていますが、やはり目標を達成するためには安定的な財源の確保が大きな課題となります。

第5章 環境・SDGs教育

「環境インターンシップ」
 大学の講義のみならず、環境系のインターンシップにも参加できる仕組みが整っているため、学生にとっては知見を深めるよい機会になっていると思います。
 環境インターンシップのページの中に、参加者の様子などの写真があれば、よりイメージもつきやすく、読みやすいと感じました。

回答
 参加者の様子などの写真を掲載することについて、来年度以降の課題として検討致します。

「環境内部監査員の養成(講義)」
 環境内部監査員の養成(講義)において、学生が環境マネジメントシステムの仕組み・内部監査の手法を知り、実際の内部監査に携わる経験ができることは、社会人となって以降も有意義と考えます。

第6章 環境・SDGs研究

「全般について」
 リモートセンシングやIoTなどのスマート技術を使うことで、環境だけでなく、さまざまな社会課題に対応した研究を多く行っていることを訴求できている点はとてもよいと感じました。
 研究がいつなされた(発表された)ものなのか、記載があるとよいと思います。(新たな知見なのか、過去の発見なのかによっても、情報に対する読み手の評価が変わると思うため)

回答
 研究がいつなされたものなのか記載するよう来年度以降の課題として検討致します。

第7章 環境関連の取組と評価

「全般について」
 取り組み内容や実績は、具体的かつ分かりやすく記載されていると思います。
 実績に対する評価や課題感まで記載できると、よりよくなると感じました。

回答
 実績に対する評価や課題感まで記載することについて、来年度以降の課題として検討致します。

「ステークホルダーエンゲージメント(関与・取り込み)の状況」
 ステークホルダーエンゲージメント(関与・取り込み)の状況について、方針、マニュアルに沿い実施、情報開示されている点がすばらしいと思います。
 「令和5年度環境に関するニーズと期待」に対する対応方向性もご記載されると、なおよいと感じました。

「環境負荷」
 環境負荷に関して、貴学ではフロン類の温室効果ガスの把握はされていますでしょうか(空調機、冷凍機など大型機器があるのではと推測)。

回答
 「フロン類の使用の合理化および管理の適正化に関する法律(フロン排出抑制法)」に基づき、第一種特定製品の使用者である教職員自らが簡易点検を実施しています。
 フロン排出抑制法に基づくフロン類算定漏えい量報告・公表制度において、漏えい量が1,000t-CO₂ 以上であれば事業所管大臣への報告対象者(特定漏えい者)となりますが、本学では令和5年度の漏えい量が1,000t-CO₂未満であったため、報告は行っていません。

第8章 マネジメントシステム

「全般について」
 数値が多い中でも、グラフやイラストを使うことで、読みやすさに配慮した内容となっていたと思います。

「環境・SDGsマネジメントシステム(ISO14001)の維持審査」
 環境・SDGsマネジメントシステム(ISO14001)の維持審査について、<前回の審査所見への対応>があり、PDCAの実例として認識できてよかったです。

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