三重大学75周年
地域と共に歩む
持続可能な未来への挑戦

 令和6年1月1日に発生したM7.6の能登半島地震は家屋の倒壊や土砂災害、地震津波により大きな被害をもたらしました。地震による被害に加え、その直後に発生した火災もあり、多くの方々が逝去されました。謹んで哀悼の意を表するとともに、被害を受けた方々に心よりお見舞い申し上げます。
 本学は昭和24年(1949年)5月31日に開学し75周年を迎えました。
 開学当時は旧制の三重師範学校、三重青年師範学校を母体とした学芸学部、三重農林専門学校を母体とした農学部の2学部で始まり、現在では5学部6研究科を擁する総合大学へと成長しましたがキャンパス周辺の環境も大きく変わり、本学の活動による地域環境への影響は大きく、その社会的責任は重大であると認識しています。
 世界では、気候変動、食糧・エネルギー危機、国際紛争など多くの課題に直面しています。日本においては、人口減少による地域の活力低下や地域環境問題が大きな社会問題となっています。こうした急速な社会変化の中で、豊かで幸せな新しい社会を築くためには、地域と大学が共創し、良い社会の構築に向けて協力することが必要です。特に、知の拠点である大学への期待はますます大きくなっています。
 本学は、自然に調和した持続可能な地域社会の実現に向けて教育・研究・社会貢献活動を推進している環境先進大学です。地域および世界のステークホルダーとの連携を通じて持続可能な開発目標(SDGs)を軸とする「三重大学環境・SDGs方針」を策定・公表し、地域から学び、世界に誇れる教育・研究活動を推進しています。
 カーボンニュートラルに向けた環境人材の育成や、オンデマンド授業で環境問題を学べる科学的地域環境人材(SciLets:サイレッツ)育成事業、環境マネジメントシステムの運用、3R活動、キャンパスの省エネ活動、地域自治体や産業界との協働など、多岐にわたる環境活動を行っています。
 本学では、平成20年の「三重大学男女共同参画宣言」に基づき、男女共同参画を推進してきました。令和4年12月には、地域共創大学としてダイバーシティ&インクルージョン推進を宣言しました。これにより、環境・SDGs分野の教育・研究を通じて、ダイバーシティやインクルージョンの概念の発展にも寄与することを目指しています。
 また、本学のキャンパスは、伊勢湾の海と空が広がる広大な敷地に豊かな緑に囲まれた「三翠」と呼ばれる自然の中にあり、自然を身近に感じながら学べる環境にあります。このような自然豊かな環境を活用し、地球温暖化の原因とされる、二酸化炭素(CO₂)の排出量削減と吸収の役割が大きい、藻類、貝類のブルーカーボン生態系によるCO₂の吸収・固定の取り組みにおいて国内の研究をけん引することを目指しています。
 気候変動による異常気象が頻発する中、地球環境を維持するためには、身近な環境の大切さを認識し、一人ひとりが環境問題を理解し、実践することが重要です。
 本学は、環境・SDGsのプラットフォームを築き上げ、カーボンニュートラル社会の形成に向けた環境の諸課題を地域とともに解決を目指し、新しいコミュニティづくりに貢献していきます。

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