附属小学校の取り組み

  • 2 飢餓をゼロ
  • 4 質の高い教育をみんなに
  • 6 安全な水とトイレを世界中に
  • 11 住み続けられるまちづくりを
  • 12 つくる責任つかう責任

 附属小学校では、今年度は、環境整備委員会・栽培委員会・給食委員会の取り組みを中心に、環境教育にかかわる学習を1年間通して取り組んでいく予定です。

環境整備委員会・栽培委員会の実践

 環境整備委員会では、清掃活動、栽培委員会では、栽培活動を通して、児童が自分たちの生活環境を整え、気持ちよく学校生活を送ることができるよう取り組んでいます。

清掃活動について

 「自問清掃」という手法を導入し、児童が自分の清掃態度を問い直しながら、自ら進んで清掃を行うことを重視しています。この活動を通して「自立」「内省」「察知」「感謝」の4つの要素を養うことを目標としました。「自立」では、無言清掃を実践し、自分のわがままを抑えて集中してやり抜く力を育成しました。「内省」では、清掃後に自分の行動を振り返る時間を設け、次回への改善点を見つける習慣を身に付けました。「察知」では、周りの環境や困っている仲間に気付く力を養い、「感謝」では使用している施設や道具、協力する仲間への感謝の気持ちを育みました。

栽培活動について

 花壇の整備と維持を通して、児童が植物に愛情を持って育てることで豊かな心を育む活動を行いました。児童自身が花や作物を選び、作業内容を考えて計画を立てることで、主体性を重視した取り組みとしました。また、運動場や中央花壇の除草作業も学級・学年単位で実施し、学校全体の環境美化に努めました。

栽培活動(R7.7.1)

実践を終えて

 環境整備委員会および栽培委員会活動を通して、児童たちに大きな変化が見られました。清掃時間における集中力と持続力が向上し、自ら汚れに気付いて清掃する姿勢が身に付きました。また、栽培活動では、毎日の水やりや観察を欠かさず行う責任感が育まれ、植物の成長を喜ぶ豊かな感情表現も見られるようになりました。
 特に印象的だったのは、児童同士が互いの働きを認め合い、自分たちの手でより快適な環境を整えているという実感を持てるようになったことです。これらの経験が、望ましい勤労観の育成につながったと考えています。

給食委員会の実践

 給食委員会では、食品ロスの削減を目的とした5段階の取り組みを実施しました。
 まず、日々取り組んでいる「青バケツ(残食の計量)」について、委員会メンバーから感想を聞き取り、現状の課題を共有しました。次に、食品ロスが環境に与える影響や社会的な問題について委員会で説明を行い、児童の意識啓発を図りました。
 その後、児童自身が食品ロスについて調べ学習を行い、世界的な食料問題や環境への影響について理解を深めました。学習を踏まえて、学内で自分たちができることは何かを話し合い、具体的な行動目標を設定しました。
 最後に、食品ロス削減を呼びかけるポスターを作成し、校内各所に掲示することで、全校児童への啓発活動を展開しました。ポスターには、分かりやすいイラストと簡潔なメッセージを組み合わせ、児童の関心を引く工夫を凝らしました。

給食委員会実践(R7.6.15)

実践を終えて

 給食委員会の活動により、学校全体の食品ロスに対する意識が大きく向上しました。青バケツでの残食計量データを見ると、取り組み開始前と比較して残食量が約30%減少するという顕著な成果が得られました。
 児童たちからは「食べ物の大切さを改めて感じた」「世界の食料問題を身近な問題として考えるようになった」といった感想が多く聞かれました。また、家庭でも食品ロス削減を意識するようになったという報告もあり、学校での学びが家庭や地域にも波及する効果が確認できました。
 両委員会の活動を通して、環境教育は知識の習得だけでなく、実践的な活動を通じて児童の意識と行動を変容させる重要な取り組みであることが実証されました。今後もこれらの活動を継続し、さらなる発展を目指していきます。

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