7環境関連の取り組みと評価
化学薬品管理システムの導入
- 4 質の高い教育をみんなに
- 12 つくる責任つかう責任
経緯と目的
令和3年度、事業場で用いる化学薬品に関する各種法令遵守および報告義務に伴う集計の効率化のため、全学にて化学薬品管理システムを導入しました。
本学は、毒物及び劇物取締法、特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(化管法・PRTR法)、消防法、労働安全衛生法、特定化学物質障害予防規則、有機溶剤中毒予防規則、廃棄物の処理及び清掃に関する法律など、法令に則り管理しなければならない化学薬品が多数存在します。また、大学管理の化学薬品がかかわる事故・事件なども報告されています。化学薬品に関する外部監査においても、化学薬品の管理状況について、システムなどを用いるべきであることが指摘されています。このような背景から、化学薬品に関する管理を大学法人として責任をもって実施する必然性が高まっていました。
本学では、これまで各研究室に化学薬品の管理業務を一任しており、各研究室に各種法令に関連する試薬の問い合わせや数量報告を逐次お願いしていました。今回、本システムを導入することにより、大学全体としての化学薬品の動向を把握し、積極的、正確かつ集計を自動で行うことで、化学薬品を扱う際の安全性と管理作業の効率化・簡便化を進めております。さらに、これを機に、学生にも化学薬品の法対応についてシステム利用を通じた実務経験により、化学薬品管理能力を身に付けた人材として育成できることが期待されます。
現状および今後
令和4年度、工学部と生物資源学部に化学薬品管理システムが導入され、試験的に運用して参りました。廃液処理は年3回(7月、11月、2月頃)実施しており、3回目にあたる令和5年2月に工学部を対象にシステムの試行運用を開始しました。令和5年10月より生物資源学部まで試行運用範囲を広げ、令和6年7月より、全学での運用へ展開しております。
令和5年度は工学部のみを対象として化学薬品管理システムを用いてPRTRの集計機能を試行運用しました。化学薬品は業者から購入した際にバーコードで管理されており、学内にある検収センターで仮入庫登録が可能となっています。試行運用においては、運用上の課題抽出やシステム改良を行い、運用体制の有効性が確認されたことを受け、令和6年度以降、全学的スケールで本機能の展開を行い、PRTR対応の一層の効率化・精緻化に向けた取り組みを推進しています。
令和6年度より、化学薬品管理システムの普及をさらに推進していくため、全学での本格運用を開始しました。それに伴い、化学薬品管理システムの使用方法や化学薬品管理に関する学則について、三重大学Moodleを利用したe-learningを構築しました。このe-learningを受講することによって、化学薬品管理能力を身に付けることができるようになっております。化学薬品を取り扱っている教職員をはじめ多くの学生も受講しております。
令和7年度より、免税アルコールについても購入研究室へ引き渡す前に化学薬品管理システムへ登録し、バーコード管理することを開始しました。これにより、全学的な化学薬品の使用状況の可視化と統合管理体制の高度化を実現しています。
-
化学薬品管理システムメニュー画面
-
化学薬品管理システム使用状況
-
化学薬品管理システムが利用された薬品