環境ラウンドテーブル・ディスカッション(身近な視点から考える環境とSDGs)

  • 4 質の高い教育をみんなに
  • 12 つくる責任つかう責任
  • 14 海の豊かさを守ろう
金子

SDGs(持続可能な開発目標)は、国連で決められた17の目標であり、2030年までに貧困の撲滅や飢餓の撲滅などを含むさまざまな分野にわたる国際開発の目標です。本学も環境目標に向けた取り組みを進めており、具体的には省エネやエアコンの抑制、自転車利用などの移動手段の工夫、リサイクルやペーパーレス、太陽光発電の活用などが考えられます。また、環境教育として大学内の緑化や環境マインドの醸成が重要であり、最終的には地球に優しい行動が求められます。
前半では、身近な視点から環境とSDGsについて議論したいと思います。

ドーナ

日本とスリランカを比較して、日本のリサイクルショップのコンセプトが地球に対して非常に優しい取り組みであると感じています。7年前ですがスリランカではリサイクルショップがあまり盛んではありませんでした。日本ではリサイクルショップが増えており、多くの人々が利用していると感じています。

口田

年に2回、古本市を開催しています。このイベントでは、図書館と翠陵会館に古本回収ボックスを設置し、学生・教職員の方から不要な本を回収します。回収した本は、再び学生・教職員の方に無料で譲渡する取り組みを行っています。最近はたくさんの方に来ていただいており、譲渡率は6割前後になっていますが、さらに7~8割に増やしたいと考えています。

金子

古本市での本のリサイクルが循環を生み出していることはすばらしいですね。

水木

フードロスに興味があり、学食や大学での取り組み、個人での対策について知りたいです。具体的な始め方や身近な実践例があれば教えてください。

伊藤

昨年の卒業式では、卒業生にランチを提供し、フードロスを防ぐために工夫しましたが、全員に行き渡らない場合もあり難しい面がありました。個人では必要なものだけを買い、食べきるようにしていますが、外食やコンビニではおにぎりなどが廃棄することがあるようです。大学のフードロス対策については、生協の取り組みを確認するのがよいかもしれません。

森脇

私は売店でよくパンやサンドイッチを買いますが、健康を考えると衛生基準や保存期間を守りつつ、フードロスを少なくする方法が重要だと思います。自宅では植物を育てており、堆肥を作ることもありますが、油が入った食べ物は堆肥にしにくいです。大学でも同様の取り組みができるか考えています。葉っぱなどは堆肥にできると思います。

大森

学内で落ち葉コンポストが行われています。この取り組みでは、学内で集められた落ち葉をコンポスト化し、堆肥として利用しています。この堆肥は、学内の花壇などで活用されており、環境に優しいリサイクルの一環として行われています。

金子

学内の資源を有効に活用することは重要です。たとえ堆肥の量が微量であっても、持続可能な資源利用の一環として意義があります。

香港ではリサイクル設備があまり整っておらず、多くの人がごみをそのまま捨てています。専用の有料ごみ袋の使用が導入される予定ですが、反対の声が多いです。個人的にはフードロスを避けるよう努めていますが、ペットボトルなどのプラ容器を洗ってリサイクルするのは手間だと感じています。

森脇

水が貴重な地域では、水で洗うことがもったいないとされるため、プラスチックを燃料として利用する方がよい場合もあります。日本のように何でも水洗いする習慣は、水が貴重な国から見るともったいないと感じられることがあり、地域に合ったやり方が大切です。

大森

学食での小さい食器の30%オフの割引やスーパーでの夜間割引がフードロス削減につながっていると感じています。特に学生にとって経済的であり、同時にフードロス削減にも寄与していると考えています。

高木

フードロス問題の解決には、個人の意識改革だけでなく、外食産業やコンビニなどの大規模な部分への対策が必要です。これには政治的なアプローチが求められますが、政治を動かすためには個人の行動が重要です。専門家が正しい知識を提供し、大学などで情報発信することが重要です。

海岸の近くに住んでおり、毎日海岸で散歩をするのが日課です。しかし、外にはごみのポイ捨てが多く、状況はかなりひどいです。町屋海岸では、朝に魚釣りをする人や夜に焚き火をする人がいますが、ごみのポイ捨てが多く、環境が汚れています。美しい景色が好きな私は、ポイ捨てはよくないと感じています。

金子

環境ISO学生委員会で町屋海岸清掃を行っていますよね。

大森

2か月に1回の頻度で特定の区域を清掃しており、その区域はきれいに保たれていますが、それ以外の区域にはごみが残っていることが多いです。マキさんが見たのはその部分かもしれません。清掃している砂浜はきれいで、ごみの量も減少傾向にあります。今後は清掃区域を広げ、駐車場なども清掃したいと考えています。

村松

生物資源学部2年でワンダーフォーゲル部に所属している村松みうめと申します。人々が自然を自分のものと考えず大切にしないためにポイ捨てが起こると考えられます。自分の部屋ではごみをポイ捨てしないのに、屋外でポイ捨てしてしまうのはそのためです。みんなが自然を自分たちの大切なものと考えるようになれば、ポイ捨ては減ると考えています。

水木

本学は学内が非常にきれいで、建物の中も外も清潔に保たれていると感じています。これは、学生や関係者がごみの分別を守り、ポイ捨てをしないように気をつけているためだと思います。そのおかげで、毎日気持ちよく過ごせています。

ドーナ

本学では、放置自転車が多いと感じました。初めて日本に来た時、リサイクル自転車が欲しかったのですが、情報が少なくて困りました。放置自転車が多いのに、それを有効活用する意識がまだ足りないと感じています。

伊藤

工学部を訪れた際、学生の多さに加え、一部の場所で錆びて倒れている自転車が見受けられました。環境ISO学生委員会の活動により状況は改善されつつありますが、まだ一部にそのような自転車が残っていることを感じています。

金子

卒業時には、学生一人一人が自転車を放置せず、適切に処理する意識を持つことが大切です。

吉村

私たち環境ISO学生委員会の力だけでは届かない部分があるため、卒業生の協力を得て放置をなくすことが最優先だと考えています。

大森

本学で年4回開催されているキャンパスクリーンに参加していますが、大きなごみが多く見受けられます。多くの学生はある程度の危機感を持っていますが、一部の学生は危機感が少なく、ごみのポイ捨てが増えています。また、放置自転車も多く、これはポイ捨てと同じ問題と考えています。

金子

本学に入学する学生に対して環境教育をしっかり行い、卒業後も環境の改善に関心を持ち続けるように教育することが重要だと思います。

森脇

本学のキャンパスは広いため、自転車が便利です。現在は自転車に乗っていませんが、学内でシェア自転車を導入することは可能でしょうか。放置自転車を利用して、特定の置き場を設けてシェアできれば、自転車の数を減らしつつ便利になるのではないかと考えました。売店などへの移動にも役立つと思います。キャンパスが広い本学では、自転車は重要な移動手段ですので、シェア自転車の導入は有益かもしれません。

外国人の友人が帰国する際、自転車の処理方法に困っていることがあります。売り場でのコミュニケーションが難しく、駐輪場に放置してしまうこともあります。本学では、管理シールを貼って使用中の自転車と区別し、不要な自転車を処理する方法が取られています。また、友人に譲るケースもあります。外国人が自転車を適切に処理するためのよい方法を探しています。

カク

中国人留学生の間では、先輩が後輩に自転車を譲ることが一般的です。しかし、卒業後に自転車が壊れてしまうと、後輩が自転車を受け取れないことがあります。そこで、日中友好協会の一部の人々が自転車を回収し、修理してから新しい留学生に提供する取り組みを行っています。

金子

日本では一部の国際交流プログラムでリサイクルが進んでいますが、日本人学生にはまだ広がっていません。新入生を集めてリサイクル活動を考えたいと思っています。

吉村

留学生が自転車の処理方法を知らないという問題について、環境ISO学生委員会として自転車を譲渡する際に処理方法も伝えるべきだったと反省しています。

金子

留学生にリサイクル活動を促進することで、国際交流と連携し、キャンパスの環境を改善し、ロスの問題やリサイクルに取り組むなど、今後の環境活動に期待します。

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