三重大学 環境・SDGs報告書2022

SUSTAINABLE DEVELOPMENT GOALS

編集後記「三重大学環境・SDGs報告書2022」の作成にあたって

ウクライナ戦争とエネルギー危機

 令和4年2月24日にロシアがウクライナに軍事進攻して以来、西欧諸国がロシアに経済制裁を科し、ロシアもそれに対して原油やガスなどの供給を減らしたことによって、世界はエネルギー危機に陥っています。
 米シティグループの予測によれば、エネルギー価格の急騰によって、英国のインフレ率は、このまま上昇傾向が続けば、来年には約半世紀ぶりに18%を上回ります。標準的な家庭の年間エネルギー価格上限は、現在の1,971ポンド(約31万9千円)から、来年4月には、その約3倍の6,000ポンド近くに上昇するというのです。英国のインフレ率が前回、18.6%を上回ったのは1976年で、オイルショックで世界経済が混乱し、英国政府は国際通貨基金(IMF)に救済を求める事態となりました。
 英国同様、日本でもエネルギー価格は高騰し、その実態はガソリンスタンドで給油をすれば一目瞭然です。電力自由化の政策に従って設立された新電力会社が令和4年3月に倒産し、その会社と契約していた本学も倒産のあおりを受け、高額の最終保障電力の供給を受けることになりました。その後、電力会社と契約を結ぶことができましたが、光熱費の総額は令和3年度に比べて約2億円増が予想されたため、学内予算を8%減額して、各部局に配分することになりました。今後も継続して教育研究活動に影響がおよぶことが懸念されます。
 このようなエネルギー危機に加えて、地球温暖化の波が国際社会に押し寄せ、EUと英国の半分が干ばつに襲われ、日本でも異常な猛暑と局地的な集中豪雨が続きました。エネルギーと環境問題が主因となって国際社会が大きく変わる中、『三重大学環境・SDGs報告書2022』がまとめられたのは、誠に意義深いことです。環境先進大学としての本学の取り組みがまとめられています。一人でも多くの方にご覧いただきたいと思います。

尾西 康充

三重大学の社会的責任(USR)とSDGs

 「三重大学環境・SDGs報告書2022」は、本学の環境・SDGs方針に基づく、教育・研究・社会貢献・業務運営の取り組みの充実を図り、また、三重県および国内外のステークホルダー 活動に伴い利害の影響を受ける関係者のこと。大学の場合、教育・研究活動に伴い利害の影響を受けるのは学生であり、学生の保護者、地域の企業、行政などが上げられる。一般的な企業では、株主、経営者、従業員、顧客、取引先などになる。とのパートナーシップによる成果をまとめ、積極的に公表することで、持続可能なカーボンニュートラル社会(CN)創生のトップランナーとしての本学の社会的責任(USR 社会的責任(Social Responsibility:SR)の意味に、実践組織を大学の英語表記university:Uを付したもの。
社会的責任の考えでは、活動内容について積極的な情報開示によって説明責任を果たすことが求められる。
)を果たすことを考え、作成しました。

 「三重大学環境・SDGs報告書2022」は、表紙、学長メッセージ、環境・SDGs方針、9つの章で構成されています。表紙のデザインは、本学と周辺の航空写真を背景とし、SDGsの17の目標と169のターゲットが一丸となって、本学から三重県、日本、アジア、世界へ広がる環境・SDGsのトップランナーとしての三重大学をアピールしています。

 「三重大学環境・SDGs報告書2022」は、次の5つの特徴からなります。
<特徴1> 本学の教育・研究・社会貢献・業務運営の充実したコンテンツ
<特徴2> 本学の教職員・学生・留学生・附属教育機関・三重県および国内外のステークホルダーとの連携による環境・SDGs活動
<特徴3> テーマおよび内容毎にSDGsの17の目標の表記
<特徴4> Web版および概要版、動画による学内外、国内外への積極的な広報
<特徴5> 次世代を担う環境・SDGs人材育成のための教材化

 「三重大学環境・SDGs報告書2022」のWeb版および概要版(一部英文併記)、動画に是非とも目を通していただき、忌憚のないご意見をいただきますよう、お願い申し上げます。

朴 恵淑

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