三重大学 環境・SDGs報告書2022

SUSTAINABLE DEVELOPMENT GOALS

大規模接種会場の運営におけるリスクマネジメント

  • 3 すべての人に健康と福祉を
  • 11 住み続けられるまちづくりを

 本学では、令和3年度の夏に「新型コロナウイルス感染症対策」のため、大規模接種会場を開設・運営しました。
 会場における新型コロナウイルス感染症対策は、接種を受ける方々の検温、動線管理、各結節における消毒、待機室での距離の確保や密度などを厳重に管理して対応しました。会場には附属病院のスタッフのほか、大学の事務組織からも応援を行い、週末ごとに約3か月にわたる会場の運営を行いました。

問診・接種ブース(R3.6.12)

問診・接種ブース(R3.6.12)

経過観察スペース(R3.6.12)

経過観察スペース(R3.6.12)

 新型コロナウイルス感染症対策の活動のため、医療面での準備は万全に行われたのは当然ですが、暑い季節のため、高齢者の方が熱中症にならないように、待機場所の空調やテントを用いた日陰作りなど、細かい配慮を行い対応しました。
 また、運営中に南海トラフ巨大地震および津波が発生した場合に備えて、安全・防災・危機管理室の要員も常に待機するなどの対応を行いました。
 その中で、一見細かな事ですが、大学の事務職員のリスクに対する情報共有の迅速さや徹底ぶりに感心させられる一面がありましたので、紹介します。

 ある日、接種会場の待合室として開放していた本学の食堂の前で、高齢の方が段差につまづいて転んでしまいました。体ごとタイル張りのエントランスに倒れ込み、激しい音がしたのを今も覚えています。幸い大きな怪我には至らなかったのですが、高齢者の転倒は後の生活レベルを左右することもあるため本当に危険です。
 もともと大学の施設は健常者や若い人を基準に構築されているため、ある意味起こるべくして起きたインシデントでした。
 それを認知した事務職員たちは、この案件を引継ぎ簿に申し送るとともに、施設部に情報提供を行いました。施設部職員はこれに迅速に対応し、翌日には段差がアスファルトのスロープに補修されていたのです。この対応の速さには感心しました。

修繕前(R3.7.6)

修繕前(R3.7.6)

修繕後(R4.7.20)

修繕後(R4.7.20)

 また、職員はそれ以降、高齢者の歩行同線上危険だと思われる場所に立ち、通行の際の声掛けを行うなど危険予防の対応を取るようになっていました。
 大規模接種会場におけるこの小さな出来事は、まさしくリスクマネジメントにとても重要な「気づき」と「速やかな対応」が実践された事例です。
 このような積み重ねができてゆけば、本学からリスクの芽が無くなっていくだろうと頼もしく感じたことを覚えています。

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