2特集
COP26(グラスゴー気候合意:Glasgow Climate Pact)参加報告
- 3 すべての人に健康と福祉を
- 4 質の高い教育をみんなに
- 7 エネルギーをみんなに、そしてクリーンに
- 8 働きがいも経済成長も
- 9 産業と技術革新の基盤をつくろう
- 10 人や国の不平等をなくそう
- 12 つくる責任つかう責任
- 13 気候変動に具体的な対策を
- 17 パートナーシップで目標を達成しよう
令和3年10月31日から11月13日までイギリス・グラスゴーで開催された国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)に、朴 恵淑特命副学長(環境・SDGs)が参加し、COP26の本会議へ参加、政府関係者や国連機関の関係者との懇談会、本学の環境・SDGs への取り組みについて積極的なアピールを行いました。
COP26において「グラスゴー気候合意(Glasgow Climate Pact)」が採択されたことで、グラスゴー会議は近年の最も成功した国連の環境会議として高い評価を受けています。グラスゴー気候合意では、世界が気候変動の時代を超えて、気候危機(Climate Crisis)の時代に入ったことが再認識させられ、地球温暖化による気温上昇を1.5度に抑えること、 気候危機の緩和(Mitigation)・適応(Adaptation)の両方からのアプローチが必要不可欠であり、脱化石社会に向けた再生可能エネルギーへの取り組みの強化およびEV車への転換などが集中的に議論されました。また、2030年の国連持続可能な開発目標(SDGs)の達成および2050年のカーボンニュートラル社会(CN)の形成のために、ハードとソフト面でのイノベーション、グローカル環境人材の育成、世界の全ての国のバックキャステイング(Back-Casting)による野心的温室効果ガスの削減目標を掲げ、産官学民の全てのステークホルダーとのグローバル・パートナーシップによる実効力ある対策を講じることが合意されました。
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COP26本会議の最終日(グラスゴー気候合意採択)① (R3.11.14)
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COP26本会議の最終日(グラスゴー気候合意採択)② (R3.11.14)
WHO(世界保健機関)は、気候危機と健康被害の報告を行い、地球温暖化に伴う熱中症などによる死者が年間約25万人、大気汚染による死者は年間約700万人が予想されること、特に、環境問題と健康被害はコインの表と裏の関係にあることを認識し、経済発展が最も顕著なアジア諸国における環境悪化による健康被害が最も懸念されるとの警告を出しました。
COP26において、11月8日に行われたオバマ元アメリカ大統領の演説は、次世代を担う若者に、当事者としての自覚を持ち、気候変動(危機)に対策を講じない政府や企業に対する怒りを表すことで、全世界が一丸となって気候変動(危機)へ積極的な対応を講じることとなり、若者が描く近未来の世界像を実現できると夢と希望に満ちた近未来に向けた力強いメッセージを発していました。
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COP26の期間中に朴 恵淑特命副学長(環境・SDGs)は、世界各国の政府代表団(日本、韓国など)および国連緑の気候基金財団の総裁とシニア専門官、産業界、SDGsパビリオンの関係者、国際環境NGOとの懇談会を通じて、本学の環境・SDGs活動について積極的なアピールを行いました。特に、「三重大学環境・SDGs報告書2021」のWeb版やリーフレット(和文と英文)を用いて、伊藤 正明学長の強いリーダーシップによる三重大学環境・SDGs方針、伊藤学長と学生、教職員との環境・SDGs座談会、環境研究・環境教育・社会貢献についてのアピールを行うのはもちろんのこと、本学が三重県との連携による三重県SDGs推進パートナー登録制度へ三重県高等教育唯一の登録を行ったことなど積極的なアピールを行いました。
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COP26 日本パビリオン① (R.3.11.9)
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COP26 SDGsパビリオン② (R3.11.12)
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COP26 韓国政府代表団との懇談会(韓国環境部・統一部) (R3.11.9)
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COP26 国際環境NGOとの活動 (R3.11.12)
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COP26 国連緑の気候基金の総裁・シニア専門官との懇談会 (R.3.11.12)
グラスゴーは、18世紀の産業革命の原動力となった、ジェームスワットの蒸気機関の発明の地であることから、産業革命のまちから緑(環境)のまちへ大変換を図るべく、COP26への期待は非常に大きく、まち中にCOP26のアピールが盛んに行われていました。COP26会場へのアクセスは、燃料電池バスの大衆交通機関、再生可能エネルギー100%で充電された電動自転車の無料貸し出し、カーボンニュートラル社会に向けた再生可能エネルギー100%の電車運行計画(NET ZERO HERO)などが大々的にアピールされていました。
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COP26 本会議場 (R3.11.9)
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グラスゴーの大衆交通機関(燃料電池バス) (R3.11.9)
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COP26期間中の貸し出し用自転車(再生可能エネルギー100%で充電) (R3.11.9)
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再生可能エネルギー100%電車運行計画(NET ZERO HERO (R3.11.12)