3環境・SDGsコミュニケーション
aquri-M(水生生物飼育展示サークル)
- 11 住み続けられるまちづくりを
- 15 陸の豊かさも守ろう
- 17 パートナーシップで目標を達成しよう
かつては日本全国で身近な存在であったメダカは本学やその周辺でもごく普通にみられましたが、近年特定外来生物のカダヤシが侵入し、ほとんどみられなくなってしまいました。そのメダカ(ミナミメダカ)が学生によって令和元年に本学内で発見され、発見者の所属する水生生物飼育展示サークルaquri-Mと顧問である本学大学院生物資源学研究科の淀 太我准教授によって、”三重大メダカ”と名付けて飼育下での系統保存による保全プロジェクトを行ってきました。
より自然に近い姿でこのメダカを保全するため、本学同窓会が管理する三翠 本学の前身の一つである三重高等農林学校の校歌にある「空のみどり、樹のみどり、波のみどり」に由来しており、三重高等農林学校が創設された頃、海岸まで濃い緑の松林に囲まれた学校から望むことが出来る伊勢湾の景観を表したもの。庭園内の池の使用が認められましたが、老朽化により漏水しており、水を溜めても1か月ほどで干上がってしまう状況が判明しました。
三重大メダカ①
三重大メダカ②
そこで、この池を補修するため、その費用をクラウドファンディングによる支援で募集しました。
この寄付金を使った池の補修工事が完了し、令和4年6月23日、学内の飼育施設で淀准教授とサークルの学生たちが大切に増やした三重大メダカのうち、100匹を池に放流しました。
三重大メダカを池へ移動させ放流する学生ら①(R4.6.23)
三重大メダカを池へ移動させ放流する学生ら②
三重大メダカを池へ移動させ放流する学生ら③
三重大メダカを池へ移動させ放流する学生ら④
その後、令和4年6月27日にはお尻に卵を付けて泳いでいる個体が視認され、令和4年7月6日には稚魚が確認されたことから、既に保全池での自然繁殖に成功していると考えられます。
今後は、現在飼育施設で育てている三重大メダカの稚魚についても成長度合いを見計らって追加放流するとともに、メダカの生息や繁殖に適するよう、本学構内や近辺に生育する水生植物を導入して環境整備を行う予定です。また、定期的にモニタリングや清掃を行い、三重大メダカが安定して健全に生息できる環境を維持し保全につなげていきます。