三重大学 環境・SDGs報告書2022

SUSTAINABLE DEVELOPMENT GOALS

「三重⼤学の2030 年のSDGs 達成に向けたアイデア募集」の結果

  • 4 質の高い教育をみんなに
  • 17 パートナーシップで目標を達成しよう

 本学の学生(学部生、大学院生、留学生)を対象に、2030年のSDGs達成に向けた三重大学のあるべき姿について考え、SDGsの17の目標を達成するための具体的なアイデアを募集しました。令和3年1月から5月までの募集期間を設け、応募件数15件の内、最優秀賞1名、優秀賞1名、入賞3名を選考し、伊藤 正明学長、今西 誠之理事・副学長の出席のもと、表彰式を行いました。

表彰式(R4.1.19)
表彰式(R4.1.19)
(左から、朴センター長(当時)、的場さん、小西さん、伊藤 正明学長(中央)、水間さん、奥田さん、今西理事)
※ 撮影時のみマスクを外しました。

 表彰式では、朴 恵淑国際環境教育研究センター長(当時)から、「三重大学の2030年SDGs達成に向けたアイデア」募集の趣旨、受賞者のテーマについてSDGsの17の目標と関連付けた説明がありました。続いて、伊藤 正明学長から表彰状および本学の環境活動へのインセンティブとなるMIEUポイントが副賞として授与されました。

表彰結果(※学年は、令和3年度当時のものです)

最優秀賞(1名)

 水間 真哉 さん (地域イノベーション学研究科)M1
  [応募アイデア]: 目標4 質の高い教育をみんなに

水間さん(R3.7.28 環境座談会2021)
水間さん(R3.7.28 環境座談会2021)
アイデアの概要

三重大学内のキャンパスや関連の施設などを活用し、地域の人が学び、楽しみ、課題を解決するような場を作ることで、地域の問題の解決や人々のネットワークをつなげるような存在になる。また三重大学が大学生だけの学びの場ではなく、地域住民全ての学びの場になってほしい。

今から何を取り組む?

まずは地域の人が大学に気軽に来て、面白い場所だと思ってもらえるようにする必要があると思う。そのために、①大学に近隣の人や学校などを招待し、授業などの体験をしてもらう。②三重大学ツアーなどや、簡単なワークショップや、イベントなどを行っていく。③年齢や性別などを問わず、住民発案の取り組みなどを開いていく。その際に教職員や学生などが取り組みを協力してい行うなどして、相互に学びを深める必要があると思う。これらのことを行うことで、大学が地域の居場所として認知され、住民が立ち寄り、時にはイベントなどを起こし、住民同士もしくは大学と住民双方で学びが深まるのではないかと思う。

学生として何をやる?

学生としては、1つ目に大学のガイド役を行ってもらう。大学施設や授業などの説明や大学の特色を説明することで、見学者に大学のよさを知ってもらうことができると思う。2つ目に住民と共同でのワークショップなどの開催、アドバイザーとして活動を行うことができるだろう。自身の研究分野や普段の部活・サークル活動などで得た経験や知識などを活用したり、逆に住民から知識や気づきを得ることができると考える。住民と学生がつながることで、双方向で刺激を受け、学びが深まるのではないかと期待できる。

やりがいと楽しさは?

ガイド役を大学生が行うことで、大学の特色やよさなどについて深くすることや、見学者からの質問や発言などから、学生目線ではない視点から大学という場所はどのように見えるのかを知ることができると考える。また住民発案の取り組みを共同で行うことにより、大学では得られない知識、例えば三重県の歴史・文化、企業での経験などを知る機会になるだろう。大学生は、インターンシップやアルバイトなど、大学外の人ともつながる機会を持っている場合もあるが、より多様な人と出会うことで自身の考え方や、大学と社会のつながりについて考えることができるのではないかと思う。

教職員への波及はある?

教職員ともにアドバイザーという立場で、住民や学生にかかわっていただけるのではないかと考えている。職員の方は、大学や三重県という地域に関して幅広いアイデアを持っている。そのため、学生と住民のつなぎ役を務めていただいたり、大学内の施設や空間の活用方法などのアドバイザーになっていただけるのではないかと考える。また教員の方には、ワークショップなどの主催になっていただいたり、研究テーマにそった講義をオムニバス形式で行ってもらうことができれば、多くの人にとって学びが得られる機会になるのではないかと思う。

地域への波及は?

地域に関しては、上述の通りであるが、自治体や企業についても同様に、大学キャンパス内を使って主催者としてイベントを行ってもらうことができると思う。例えば、三重県立博物館で行われているようなパートナー企業のような制度を使い、大学と協力関係にある自治体や企業については登録料などをいただいて、イベントや共同授業、住民に対しての講座などを自由に行うことができれば、より大学内での学びの幅が広がるのではないかと思う。

そのほかの工夫

利用者やイベントを開く層が固定されないように、イベントの周期を短いサイクルで循環させていくのがよいのではないかと思う。もちろん、固定の団体や住民が大学の場所を使用するのはよいことだと思うが、利用者の固定化は新規で利用したい人を排除してしまう可能性もあると考える。またイベントなどの内容もさまざまなものを用意する必要があると考える。より広く、誰であっても大学という場所で学びを得られるようにこのような工夫をする必要があると考える。

優秀賞 (1名)

 小西 凌 さん  (地域イノベーション学研究科)M2
  [応募アイデア]: 目標17 パートナーシップで目標を達成しよう

小西さん(R3.7.28 環境座談会2021)
小西さん(R3.7.28 環境座談会2021)
アイデアの概要

学生が主体的にSDGs達成に取り組む。自分の未来は自分で守ろう。SDGsは買い手・売り手・社会(環境)・未来の四方よしの国際的目標である。そのことを理解して、学生の主体性を育む。

入賞  (3名)

 的場 有咲 さん (人文学部) 1年
  [応募アイデア]: 目標10 人や国の不平等をなくそう
 渡邊 伶奈 さん (生物資源学部) 2年
  [応募アイデア]: 目標10 人や国の不平等をなくそう
 奥田 久瑠美 さん(生物資源学部) 1年
  [応募アイデア]: 目標12 つくる責任つかう責任

 表彰式の後、伊藤 正明学長から、2030年のSDGs達成に向けた、皆さんのすばらしいアイデアを実現できる取り組みを、本学の多数を占める学生と教職員、地域の産官学民の皆様とのパートナーシップによって実現するために、一丸となって取り組むよう激励の言葉が述べられました。

「三重大学 2030年のSDGs達成に向けたアイデア」募集の目的

 SDGs(持続可能な開発目標)は、2016年から2030年までの国際目標です。この持続可能な世界を実現するため、17のゴールと169のターゲットから構成され、特徴として「地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。SDGsの取り組みは、日本政府をはじめ各自治体や多くの企業においても積極的に進められています。
 本学においても、大学としては先進的に平成29年から学長が「本学もSDGs達成に向け、取り組みを推進していきます」とメッセージを発信しています。これにより取り組みを進めてきた本学は、イギリスの高等教育専門誌「Times Higher Education(THE)」が、平成31年4月に発表した「THE大学インパクトランキング」ではSDG12(つくる責任つかう責任)において日本国内1位となり、翌令和2年4月にはSDG4(質の高い教育をみんなに)で日本国内1位タイにランクインしました。
 SDGsの取り組みは、2030年をゴールとしているので、まだ10年ほど取り組みを継続する必要があります。これまで大学という組織では、SDGsの取り組み評価を得ましたが、次世代を担う学生の皆さんに「2030年のSDGs達成に向けた三重大学のあるべき姿」を考えてもらい意見を伺う機会がありませんでした。
 そこで、本学学生に「2030年のSDGs達成に向けた三重大学のあるべき姿」について考えてもらい、目標(Gools)を達成させるための具体的なアイデアを募集しました。

アイデア募集のイメージ(バックキャスティング)
アイデア募集のイメージ(バックキャスティング)

アイデアの評価

 応募されたアイデアに対して、理事、国際環境教育研究センター長、教員3名、施設部長の6名の審査員それぞれが、選考基準に従い評価を行いました。

選考基準

  • SDGsの17の目標と169のターゲットのいずれかと関連があるのか
  • SDGsの概念に用いられるバックキャスティング(ムーンショット)の思考で、2030年の目標到達から、今、何をすべきかを考慮しているか
  • 三重大学のあるべき姿を想定しているか
  • 学生として取り組める具体的な内容であるか、また、後輩に引き継げるアイデアであるか
  • 教職員を巻き込むことができるアイデアであるか
  • 2030年の期限まで、継続できる工夫(楽しさや、成果の見える化)が盛り込まれているか
  • 独自性のあるアイデアか
「三重大学 2030年のSDGs達成に向けたアイデア」募集の採点マトリクス
「三重大学 2030年のSDGs達成に向けたアイデア」募集の採点マトリクス
(審査員1名当たりの評価点 × 審査員6名 = 240点)
評価の結果
評価の結果

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