5環境・SDGs教育
環境インターンシップ
- 4 質の高い教育をみんなに
本学は、大学内での学修と社会での実践との往還を通して、各学生が自身の学びを深化させることができるよう、インターンシップを大学教育の一環として位置付けています。狭い意味での就業体験ではなく教育的インターンシップとして、令和元年度入学生からはその履修を卒業要件としています。
一方で、国際環境教育研究センターでは、10年以上前から、「環境インターンシップ」(平成28年度以降は「現代社会理解実践(環境インターンシップ)」)という名称の授業を開講し、全学のおもに1~2年生を対象として、環境関連の実務現場における教育的インターンシップを実施してきました。
これは、企業・官公庁などにおける環境実務への参加を通して、企業・官公庁などの行っている環境活動に対する理解を深めるとともに、学んだことをその後の大学での学修に活用することをねらいとした授業科目です。生物資源学部と人文学部では、上述の卒業要件を満たす科目として認定されています。
コロナ禍で2年間ほど開講できない時期が続きましたが、令和4年度から再開しています。
インターンシップそのものは夏休み期間に実施しますが、大学での指導は一年を通して行われます。一年の流れは以下の表1のようになります。
前期の開始時に履修登録をした後、5月から7月にかけて3回程度の事前指導を行います。この中で、インターンシップの意義などを学ぶとともに、受け入れ機関とのマッチングを行い、インターンシップを受ける機関を決定します。
学生は、インターンシップ先が決まった後は、自身で各機関の担当者と連絡を取り合い、打ち合わせや事前の準備などを進めていきます。
インターンシップは夏季休業中(8月~9月)に1週間実施します。
インターンシップ終了後、後期の授業期間中(10月~11月)に、報告会(事後指導)を実施します。その内容や各機関からの評価(12月)を総合して、最終的に成績評価を行います。
最近のおもな受け入れ機関は表2の通りです。
これまでに環境インターンシップを受講した学生からは、「大学の中の授業だけでは得られない、現場での学びがあり、受講してよかった」、「私たちが快適に生活できるように、環境保全の現場にはさまざまな業務があり、多くの人間がかかわっていることを知った」、「自分も三重県の豊かな自然環境の保全に携わりたいという思いが強まった。そのためにもっと学びたい」、「今回学んだことや感じたことを身近な人にも伝えたい」といった声が得られています。
また、長年にわたり開講を続けていることにより、研修内容が発展した事例もあります。例えば、平成23年度に亀山市役所環境課でインターンシップを受けた学生のひとりは、卒業後亀山市役所に就職し、環境課に配属となりました。亀山市役所では、令和4年度の環境インターンシップの研修の中で、環境行政の現場で働くことを学生がより身近に感じられるように、この卒業生と受講生の交流の機会をつくって下さっています。
以上のように、この環境インターンシップは、学生たちが大学の内側だけでは学ぶことができないことを学び、知らない世界に触れることができる貴重な機会となっています。
これからも、国際環境教育研究センターはこの科目の開講を続け、よりよいものに発展させていきたいと考えています。