学長メッセージ
持続可能なカーボンニュートラル社会創生に地域共創大学として寄与
三重大学は、環境に調和した持続可能な地域社会実現に向けて教育・研究・社会貢献活動を推進している環境とSDGsの先進大学です。ISO14001認証取得、ユネスコスクール登録(ASPnet)、スマートキャンパスの推進、地域および世界のステークホルダーとの連携による持続可能な開発目標(SDGs)を軸とする「三重大学環境・SDGs方針」の策定・公表など、時代を先取る活動を行っています。
三重大学のキャンパスは、伊勢湾の海と空が広がる広大な敷地に豊かな緑に囲まれた「三翠」と呼ばれる自然の中にあり、自然を身近に感じながら学べる大学です。近年の夏の猛暑、記録的豪雨や河川の氾濫、大型台風の発生など、気候変動はおろか気候危機の時代になってしまったとさえ感じるこの頃です。
産業革命以降の人類の活動によって引き起こされた気候変動による人間を含む多様な生物が持続的に住めるよう地球の環境を維持するには、身近な環境の大切さをひとり一人が認識するとともに、地球規模の環境問題を解決する社会改革を行うことが必要となります。これには、気候変動の原因の究明や解決策を探る人類の知恵と行動の結集が必要となります。
三重大学は、基本理念の中に「自然の中での人類の共生」を掲げており、教育・研究・社会貢献の活動の中において、環境への取り組みは重要な柱です。世界的重要課題であるカーボンニュートラルに対しては、本学のキャンパスのカーボンニュートラルに加え、生産業や農林水産業とも連携したグリーンイノベーションに関する社会的活動への参加も大切と考えています。本学の「国際環境教育研究センター」や「みえの未来図共創機構・地域共創展開センター」の活動を通して、本学を構成する5学部6研究科が、県内のさまざまな地域と連携しながら環境への取り組みを進めて参ります。
「持続可能な社会を築き上げる」「カーボンニュートラル社会を実現させる」という共通の認識と理解を深め、国内外の産官学民とのグローバルパートナーシップによる環境・SDGsへの取り組みこそ、21世紀を生きる私たちに最も求められている課題であると考えています。
総合大学としての三重大学は、多様な分野における研究活動の推進とともに社会を支える人材を育成するために、産業界・行政機関・教育機関との緊密な連携はもちろんのこと、世界の国の垣根を越えた国際環境協力による次世代を担うグローカル環境人材を育てることで、大学の社会的責任(USR:University Social Responsibility)を果たします。さらに、三重大学は、知の拠点として国内外のステークホルダーと協力しながら、持続可能なカーボンニュートラル社会創生による社会共通価値の創造(CSV:Creating Shared Value)を先導するトップランナーとしての役割を果たして参ります。