学長メッセージ
私たち三重大学は、
持続可能な未来をつくるために、皆さんとともに歩み続けます。────
令和8年7月28日に発生したマグニチュード7.1の熊本地震、並びに8月、9月にかけて発生した各地の豪雨では、多くの尊い命が失われました。謹んで哀悼の意を表するとともに、被害を受けた方々に心よりお見舞い申し上げます。
気候変動をはじめとする地球環境問題は、私たちの暮らしや地域社会のあり方に大きな変化をもたらしています。大雨や猛暑などの気象災害は、もはや特別な出来事ではなく、私たちの日常に深く関わる課題となっています。この状況を受け、日本では2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、2035年度までに温室効果ガス排出量を2013年度比60%削減し、2040年度には73%削減するという新たな目標が掲げられました。2026年度からは排出量取引制度も本格的に始まり、脱炭素に向けた社会の変化は、これまで以上に具体的な段階へと進んでいます。
こうした変化の中で、大学には、環境問題について「学ぶ」だけでなく、「考え、行動し、社会とともに解決に取り組む」役割が求められています。本学ではこれまで、教育・研究・社会貢献・キャンパスの各分野において、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを進めてきました。
教育では、共通教育における環境教育が今年度より入学の全学生に必修科目として課せられ、学生一人ひとりが地球環境と地域社会とのつながりを考え、自ら行動する力を育んでいます。社会人を対象とした「科学的地域環境人材(SciLets:サイレッツ)」育成事業も、環境について継続的に学ぶことのできる機会を地域社会に提供し、今年で10年目を数えました。
学内では、学生による環境活動も着実に広がっています。これまでの環境活動を担ってきた学生組織は「Eco Green Campus学生委員会」へと発展し、キャンパスにとどまらず、地域を舞台として学生自身が環境について考え、行動する取り組みを進めています。
さらに、持続可能な未来を切り拓くためには、新たな知を生み出す研究の力が欠かせません。本学では、気候変動や環境保全、エネルギー、資源循環、生物多様性など、さまざまな環境課題を対象に、多様な分野の研究が進められています。三重県の豊かな自然や産業、地域社会を研究のフィールドとして活用し、地域が抱える課題に向き合いながら、その解決につながる科学的知見や技術を生み出していくことも重要な使命です。異なる専門分野の研究者が知を結集し、地域や企業、自治体などとの連携を深めることで、研究成果を社会実装へとつなげ、持続可能な地域社会の形成に貢献していきます。
持続可能な社会の実現に向けた道のりには、唯一の正解があるわけではありません。本学は、環境をめぐる社会の変化に受動的に対応するのではなく、新しい未来を切り拓く機会として捉えていきます。私たち一人ひとりが、身近な環境や地域の課題に目を向け、自分にできることを考え、行動することが何より大切です。
三重大学は、皆さんとともに学び、ともに考え、ともに行動しながら、持続可能な未来の実現に向けて歩みを進めていきます。
