8環境関連の取り組みと評価
排水量および水質
- 6 安全な水とトイレを世界中に
排水処理施設と規制値
本学にある2基の生活排水処理施設(上浜キャンパスの大学地区および附属病院地区)は水質汚濁防止法の規制対象である特定施設であるため,濃度規制・総量規制を順守するべく維持管理しています。濃度規制の対象項目については毎月採水し検査機関により検査し,総量規制の対象項目については自動計測しています。下表は,平成30年度の大学地区および附属病院地区の生活排水処理施設から排出している排水水質データです。
生活排水処理施設のデータ(平成30年度実績)
項目 | 単位 | 大学地区実績 | 附属病院地区実績 | |||||||
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規制値 | 最大 | 最小 | 平均 | 規制値 | 最大 | 最小 | 平均 | |||
濃度規制 | pH 水素イオンの濃度(potential hydrogen)を表わす略語・数値。通常の場合は,水溶液中での値を指し,標準気圧・25 ℃の状態においてpH = 7 が中性で,pH が7よりも小さくなればなるほど酸性が強く,逆にpH が7よりも大きくなればなるほどアルカリ性が強くなる。 | – | 5.8〜8.6 | 7.8 | 7.4 | 7.6 | 5.8〜8.6 | 7.6 | 7 | 7.2 |
BOD 生物化学的酸素要求量(Biochemical Oxygen Demand)を表す略語・数値。 水中の有機物が細菌などの好気性微生物によって分解されるとき消費される酸素量を表したもので,値が大きいほど汚染されている。 |
mg/ L | 130(100)以下 | 14 | 1 | 4.3 | 130(100)以下 | 18 | 1 | 4.4 | |
COD 化学的酸素要求量(Chemical Oxygen Demand)を表す略語・数値。 水中の有機物を酸化剤で分解する際に消費される酸化剤の量を酸素量に換算したもの。 |
mg/ L | 130(100)以下 | 19 | 3 | 6.8 | 130(100)以下 | 25 | 2 | 5.2 | |
SS 浮遊物質(suspended solids)の略語で,水中に浮遊する粒径2mm以下の不溶解性物質の総称。 | mg/ L | 130(100)以下 | 21 | 1 | 5 | 130(100)以下 | 24 | 1 | 5.2 | |
全窒素 | mg/ L | 120(60)以下 | 28 | 1.2 | 13.6 | 120(60)以下 | 17 | 1.8 | 11.6 | |
全リン | mg/ L | 16(8)以下 | 3 | 0.1 | 0.8 | 16(8)以下 | 1.7 | 0.3 | 0.8 | |
大腸菌群数 | 個/㎤ | (3000)以下 | 1500 | 7 | 523 | (3000)以下 | 42 | 1 | 16.2 | |
総量規制 | COD | kg/日 | 52以下 | 16.5 | 0.2 | 4.1 | 40以下 | 5.3 | 1.8 | 4 |
全窒素 | kg/日 | 52以下 | 37.1 | 0.2 | 11.9 | 40以下 | 18.5 | 5.8 | 11.4 | |
全リン | kg/日 | 4.2以下 | 4.9 | 0 | 0.7 | 3以下 | 1.8 | 0.2 | 0.6 |
※規制値欄の( )数値は、日間平均を表す
大学地区の排水水質のうち,総量規制の全リン値が最大4.9(kg/日)で,基準値4.2を超過することがありました。ばっ気散気装置が目詰まりしばっ気量が不足し,6月の数日間で基準値を超えてしまったためです。取り急ぎの対策として散気管の分解整備を実施し,ばっ気量を増やし水質を安定させていきました。散気管自体の老朽化も激しかったため,平成31年3月には散気管自体を取り替えリスク軽減対策を実施しました。
そのほかにも排水ポンプなど老朽化している設備を順次更新し,適切な排水ができるよう維持管理に努めています。
散気管 汚泥による目詰まり状況(H31 .03.29)
新しい散気管(H31.03.29)