3環境・SDGsコミュニケーション
環境ISO学生委員会
- 4 質の高い教育をみんなに
- 11 住み続けられるまちづくりを
- 14 海の豊かさを守ろう
- 17 パートナーシップで目標を達成しよう
概要
三重大学が「世界に誇れる環境先進大学」の構築を目指す道程において,私たち環境ISO学生委員会は学生目線の活動を学内・学外で行っており,3Rと緑化,地域連携活動に大別されます。3R活動では,エコキャップの回収プロジェクトに参加したり,学生・教職員から家具家電や自転車を回収し,修繕過程を経て譲渡したりしています。緑化活動においては,緑のカーテンの設置により冷房負担を軽減させることや学内の花壇に植栽すること,落ち葉を活用した堆肥化(コンポスト)を実施しています。また地域連携活動として,近隣住民と連携した海岸清掃や環境イベント(主に県内)への出展を行っています。そしてこれら活動全般をSNSやホームページ,環境報告書を通じて報告・周知することで,環境への意識向上を働きかけています。
3R活動
< リ・リパック回収 >
三重大学生活協同組合で販売される一部の弁当の容器には,リ・リパックという表面に貼られているフィルムをはがすことでリサイクルできるものが使用されています。学内にはリ・リパックの回収ボックスが設けられており,そこから回収したものを,三重大学生活協同組合の方へお渡しするまでが私たちの活動です。リ・リパックは40%以上の回収率でなければ,かえって環境負荷となるため,回収率の維持,向上を図り,フィルムのはがし方や回収ボックスの周知も行っています。
例年は月に1,2回の回収を行っていましたが,令和2年度は新型コロナウイルスの影響で,大学構内での弁当消費量が激減し,11月(8個)と3月(473個)のみの回収となりました。
リ・リパック回収数
リ・リパック回収ボックス(R3.4.23)
< 古本回収・譲渡 >
当委員会では,古本市と呼ばれる,不用になった本を学生から集め,学生や教職員の方へ無償で譲渡するイベントを行っています。翠陵会館1階,附属図書館1階,環境・情報科学館1階の3ヵ所に設置された古本回収ボックスから古本を定期的に回収し,年に2度(4月と10月)に譲渡を行います。
令和2年度は,新型コロナウイルスの影響で古本市が開催できず,譲渡が行えませんでしたが,回収活動については一時的に停止したものの11月から再開しました。また,譲渡ができないことで,古本の在庫が飽和することを防ぐため,処分すべきかについて一定の基準を設け,基準を下回る古本を古紙として処分しました。
古本の回収・譲渡状況
古本回収ボックス(R3.4.21)
< エコキャップ回収 >
大学構内のエコステーションと呼ばれる場所には、さまざまな回収資源が集められます。そこで,私たちはエコキャップを回収し,特定非営利活動法人エコ・ワクチン協力会ペットボトルキャップ引取事業所の株式会社三和コーポレーションに譲渡しています。エコキャップ活動を行うことで,ワクチンだけでなく,別製品の資源になったり,処分時に発生する二酸化炭素が削減できたり,さまざまな効果が期待できます。
エコキャップの回収量は他の回収資源より新型コロナウイルスの影響が小さかったものの,回収を行ったのは7月と11月から3月と例年より少なくなっています。しかし、エコキャップの譲渡は2,3ヵ月に一度行い,譲渡した総重量は約529㎏,一度で最大180kg以上に達することもありました。
エコキャップ譲渡(R3.5.19)
エコキャップ譲渡先 三和コーポレーション(R3.5.19)
< インクカートリッジ・トナーカートリッジ仕分け作業 >
インクカートリッジ・トナーカートリッジ仕分け作業
(R2.11.12)
エコステーションにはインクカートリッジ・トナーカートリッジも集積します。インクカートリッジは「インクカートリッジ里帰りプロジェクト」で,指定の企業(Canon,brother,OKI,HP)かつ,リサイクルインクでないものは回収して再利用できるため、三重大学生活協同組合の方と協力して、箱やビニール袋から取り出して,どのメーカーか,リサイクルインクであるかどうかに分けて送っています。トナーカートリッジも指定の企業(Canon,OKI,brother,EPSON)かつ純正のものは再利用が可能なため,こちらも三重大学生活協同組合の方と協力し,分別作業を経てメーカーに送ります。この活動は令和2年度から始まり,これまでに3度の仕分け作業を行いました。
< リユースプラザin三重大 >
私たちは,卒業生から家具・家電を引き取り,動作点検を行った後に新入生に無償で譲渡するリユースプラザというイベントを行っています。回収・譲渡する家具・家電は冷蔵庫,洗濯機,電子レンジ,ドライヤーなど,さまざまなものを対象にしています。このイベントが始まった背景には,卒業の時期になると三重大学付近の町屋海岸に投棄されている家具・家電が見られたため,投棄されないように当委員会で回収すると共に,譲渡も行うことで資源の再利用を図る,ということがあります。実際,このイベントが始まってから,海岸に投棄される家具・家電は減少しました。
令和元年度は新型コロナウイルスの影響で,回収活動しか行うことができず,これを受けて令和2年度では譲渡のみを行うことで,実質的に2年かけてリユースプラザを終えることとなりました。
リユースプラザin三重大(R3.3.29)
譲渡する家具・家電の点検(R3.3.16)
放置自転車対策活動
< 自転車修理 >
自転車修理(R3.1.23)
広い敷地を持つ本学は自転車を利用する学生や職員が多いため,放置自転車が問題となっていました。それを受けて平成19年度より当委員会が学務部に協力する形で放置自転車対策活動が始まりました。本活動は回収・修理・譲渡といった一連の流れを一年を通して行っています。今年度は大学の講義のほとんどがオンラインであったため学生の登校する機会が減り,学内の自転車も前年に比べて大幅に減少しました。そのため自転車の回収イベントは行いませんでしたが,前年度に放置自転車として回収した344台のうち修理可能と判断した10台の自転車を修理しました。
屋上緑化
環境・情報科学館の屋上では,建物の冷房負荷の軽減や温室ガスの吸収を目的とした緑化活動を行っています。
令和2年度は学内で活動を行うことが制限されていたため,11月までほとんど作業ができませんでした。そのため手作業では雑草抜きが追いつかず,専門業者との相談のうえ,デザインを一新することにしました。
生まれ変わった屋上にはマリーゴールドやオタフクナンテンなどを植え,植物の種類を紹介するポスターも設置し直しました。今後も週1回程度の雑草抜きを継続して行うことで景観の悪化を防ぎ,「見て楽しむ憩いの場」としての機能を果たせるよう努めていきます。
屋上の花々(R3.4.2)
屋上の案内ポスター
< 落ち葉コンポスト >
学内にはさまざまな種類の木々が植えられ,緑あふれるキャンパスとしての役割を果たす一方で,気温が下がる季節になると葉を落とし,側溝に詰まってしまいます。そこで資源循環の観点から,その落ち葉を堆肥化するべく,平成19年度に活動を開始しました。
まず学内のキャンパス環境整備室から,回収した落ち葉の提供を受けます。その後は,「切り返し」と呼ばれる作業を1ヵ月に1度行います。落ち葉の山をスコップでかき混ぜ,水をかけることによって,中の微生物に落ち葉の分解を促します。この作業を1年ほど繰り返すと,落ち葉が細分化された土が完成します。
令和3年度は落ち葉の山を3つから4つに増やし,完成したものを学内の花壇に活用することで,資源の再利用をより一層進めていきます。
落ち葉の山(R3.7.9)
切り返し(R3.7.9)
< ISO花壇 >
令和2年12月に,新しく当委員会の花壇(ISO花壇)が設置されました。ここでは半年ごとに植え替えを実施することにより,夏と冬で対照的な姿となります。
当初は花壇の下地がほとんど砂で,あまり植物の生育には向いていませんでした。なので植栽前に,コンポスト活動で作った土を耕運機で混ぜ合わせました。また植物の選定に当たっては教授の助言も受けつつ,土の肥沃度を上げられるパンジーを選択しました。
令和3年6月の植え替えの際には,より華やかさを重視したデザインを考えました。植物の色や高さ,配置を話し合い,結果的にジニアやポーチュラカを植えました。今後も改善を重ね,見た人の心に留まる花壇を目指します。
下準備の様子(R2.12.23)
ISO花壇(R2.12.23)
< 緑のカーテン >
緑のカーテン(R3.7.9)
緑のカーテンには建物内の温度上昇を抑える効果があり,平成25年度から環境・情報科学館の西側で実施しています。
令和2年度は学内での活動が制限されていたため,活動を行えませんでした。しかし令和3年度は,4月にゴーヤの苗を80株植えることができました。それから毎日の水やりは欠かさず,成長に合わせて摘心や肥料の追加,雑草抜きを行いながら成長を見守っています。実がなる8月に収穫,9月末には撤去し,一連の活動は終了します。これらに加えて今年度は,収穫したゴーヤの活用方法を発信しようと考えています。
緑のカーテンを撤去した場所には,秋らしい植物を植えることで,1年を通した景観の美化に寄与します。
地域連携活動
< 町屋海岸清掃 >
町屋海岸とは,三重大学のすぐ近くにある海岸で,かつてはさまざまなゴミの不法投棄が大きな問題となっていました。それを受けた当委員会と地域の人々は,一致団結して立ち上がり,「素足で走れる町屋海岸」を目指して年に5回,清掃活動を行っています。また,この清掃活動の目的は,ただ海岸を綺麗にすることだけではなく,清掃活動を行う中で環境問題をより身近に感じ,環境保護について改めて考えてもらう機会につなげていくほか,清掃を通して地域の人々との交流の輪が広がることで,年代や立場を問わず,地域の強いつながりを築いていける場になることを目標としています。
ごみ分別(R3.7.18)
参加者の方々(R2.11.15)
広報活動
< Webサイト >
当委員会の活動を学内外へ広報するために,平成18年度からWebサイトの運営を開始しました。毎月のイベントの告知を行ったり,イベント後には「メンバーによるブログ」をイベントに参加した学生委員が投稿したりしています。特に注目してほしい内容は「トピックス」や「まもるのひとこと」にも掲載しています。
令和2年度,新型コロナウイルス感染拡大の影響で活動が制限されたため,例年対面で行っている家具家電譲渡イベント「リユースプラザin三重大」を一部オンライン化し,家具家電の予約にWebカタログとGoogleフォームを導入しました。活動の広報以外でのWebサイトの利用は初の試みでありましたが,無事イベントを開催することができました。
< まもるボックス >
環境・情報科学館1階,教養教育校舎1号館1階および翠陵会館1階の3ヵ所にまもるボックスを設置しています。学生・教職員から学内環境や当委員会に対する意見や疑問点,学内の環境で改善してほしい点,新しいアイデアなどについて意見を広く集めることで情報受発信型の広報活動を目指しています。気軽に投稿してもらうための工夫として,まもるボックスの周辺に紹介ポスターと説明ポスターを掲示しています。
寄せられた意見には学生委員が一つひとつ回答し,掲示板と翠陵会館1階,環境・情報科学館1階の回答ボードに掲示しています。
< Twitter >
活動紹介やイベントの告知・報告をリアルタイムで発信するため,平成28年9月からTwitterの運用を開始しました。主にイベントの告知や海岸清掃の参加者募集の呼びかけを行っています。また,緑化活動などの日々の活動や委員会紹介も写真と共に投稿し,気軽に当委員会の活動を知らせることができるようになりました。
令和3年度はTwitterを活用して新歓イベントを行いました。3月から4月にかけて,身近な環境問題や三重大学に関する問題を週に1回出題しました。さらに,Twitterのアンケート機能を使用することで,多くの方に参加して頂くことができました。
Twitter画面(R3.7.9)
TwitterアカウントのQRコード
イベント活動
< JUMP >
町屋地区清掃活動(R2.10.31)
JUMPとは集めたごみを持って,正午に一斉にJUMPすることで,その分だけ地球を軽くしようというコンセプトの清掃活動イベントです。例年,公立鳥取環境大学学生EMS委員会主催のもと各地域で開催され,私たちも参加しています。しかし,令和2年度は荒天のため開催中止となりました。
そこで本学独自の取り組みとして,令和2年10月31日に同名・同コンセプトの当イベントを開催しました。春から多くのイベントの延期や中止が相次ぐ中,久々の清掃活動になりました。本学周辺(屋外)で三密を避け,委員会生の検温・消毒を徹底するなど,さまざまな感染防止対策も講じました。
また実際に道路へ出てみると,外出の機会が減ったコロナ禍においても,ペットボトルなどのポイ捨ては依然として多く,継続的な清掃活動の必要性を感じました。今後も感染状況等を考慮しつつ,状況に応じて少しでも自分たちにできることを見つけていきたいです。
< つ・環境フェスタ >
つ・環境フェスタ展示(R2.12.16)
津市主催のつ・環境フェスタに参加しました。令和2年度の当イベントは,新型コロナウイルス感染拡大防止のため,形式を変更して開催されました。私たちは,令和2年12月16日から令和3年1月17日(※一部中断)の期間,環境学習センターにて当委員会の活動内容に関するパネル展示を行いました。また,つ・環境フェスタのYouTubeチャンネルにて,環境に関する映像とそれに係るクイズも配信しました。
感染防止対策として,いずれも非対面型の形式で行い,なおかつ私たちの取り組みについて分かりやすく発信できるよう掲示内容を工夫しました。
地域における幅広い世代の方々に私たちの活動を知ってもらい,環境への意識を持ってもらえるよう,イベントを通じた広報活動をこれからも継続していきたいと考えています。