三重大学 環境・SDGs報告書2021

SUSTAINABLE DEVELOPMENT GOALS

エネルギーマネジメントビジョン

  • 7 エネルギーをみんなに、そしてクリーンに
  • 13 気候変動に具体的な対策を

 本学では,低炭素型のエネルギーマネジメントの実施として,カーボンフリー大学構想,スマートキャンパス大学の取り組みを実施してきましたが,世界的な取り組みとして全ての産業・分野において2050年のカーボン・ニュートラル達成に向けた取り組みが加速しています。一つにはSDGsを始めとする国際的な取り組みが,国のみではなく企業や大学の組織から個人までもが共有され,目標と活動の見える化が進んできたことで,学生や地域社会にも理解と行動意識が広がりを見せています。また,令和元年には「三重県は 2050 年までに温室効果ガスの排出量実質ゼロを⽬指す」ことを表明しました。

 本学は,これまでの低炭素型に向けた取り組みを,脱炭素に向けた取り組みへの前進するために,2020年度までの活動の実績を踏まえ,2021年度に伊藤学長が宣言をした「環境・SDGs方針」の基本方針には『環境・SDGsのプラットフォーム機能を築き上げ,カーボン・ニュートラル社会の形成などに向けた環境の諸課題を地域と共に探究し,新しいコミュニティづくりの一翼を担う地域共創大学として,持続可能な社会の構築に寄与します』と方針を示しています。大学の中期計画は,6年間の期間で策定をしており令和3年度が中期計画の最終年度となります。令和4年度からが新たな計画の実施に向けて,計画策定をする中で,エネルギーマネジメントに関しても長期,超長期のビジョンの策定行います。

図 エネルギー起源のCO2排出(年推移と予測)の2015年比較のイメージ

エネルギーマネジメントビジョンの策定のための現状分析

 本学の受変電設備,受⽔槽,空調設備等の建築設備など主要な基幹設備に関して,⽼朽化改善整備が進んでいますが,⼤学の施設は⽼朽化によって保安上の問題を抱えた設備だけではなく,エネルギーロスがあり環境負荷の⼤きい設備が残っています。

 三重大学上浜キャンパスでは,冷熱源設備,排⽔処理施設,受⽔槽設備,⾼圧受変電設備の⽼朽化が進み,令和元年度から受⽔槽設備の改善を進めています。(図1,図2)

 教育研究診療活動の基盤である基幹設備の適切な更新が⾏われない場合には,電⼒や熱源を安定的に供給できないばかりか,⼤事故につながりかねないことから,重要性や緊急性を考慮に⼊れて計画的に改善整備を実施する必要があります。

図1 三重大学基幹設備経年年数分布(2020年)
図2 (参考)全国平均の基幹設備経年年数分布(2020年)

 本学の電気,給排⽔,ガス,通信設備等の基幹配管・配線などのライフラインは,平成 26 年度から⽼朽化改善整備が進んでいますが,⽼朽化により保安上の問題を抱えたライフラインも残っています。ライフラインの耐⽤年数は,⼀般的に 20 年〜25 年程度と⾔われており,⽂部科学省の調査データによると25 年を経過すると事故の発⽣率が⾼まり,30 年を経過すると事故発⽣率が2倍になると試算されています。三重大学上浜キャンパスでは,屋外通信設備,屋外給⽔管,屋外ガス管の⽼朽化が進んでおり,令和元年度からの屋外通信設備と屋外給⽔管の改善を進めています。教育研究診療活動の基盤であるライフラインの適切な更新が⾏われない場合には,エネルギー等を安定的に供給できないばかりか,⼤事故につながりかねないことから,基幹設備と同様に重要性や緊急性を考慮に⼊れて計画的に改善整備を実施していく計画です。

  • 三重大学施設環境マネジメント計画<インフラ長寿命化計画2021>より一部引用

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