三重大学 環境・SDGs報告書2021

SUSTAINABLE DEVELOPMENT GOALS

環境マネジメントシステム(ISO14001)のサーベイランス審査

令和2年9月28日(月)から29日(火)の2日間,本学が運用している環境マネジメントシステムが,ISO14001の2015年版の規格要求事項に適合しながら自ら定めた取り決めに従い有効に運用されているか,組織の方針・目標を達成する能力を有しているかを確認するためサーベイランス審査が行われました。

Web会議ツールのZoomを活用の様子

サーベイランス審査の結果

サーベイランス審査の結果では,環境マネジメントシステム展開などが有効に働いていることを確認され認証登録が継続されました。審査の総合的所見では「不適合は発見されなかった」と評価コメントがありました。

Webカメラを使用した確認の様子

観察事項

サーベイランス審査の結果に関して,不適合はありませんでしたが,次の観察事項がありました。
※観察事項:是正につながる事項としてあげられ,推奨事項のことを言うが是正義務はない項目です。

観察事項・改善の機会

認定機関(日本適合性認定協会)の認定シンボルマークが変更になったことに伴い,本年5 月20 日付けでマークの変更に係るご案内を審査登録組織様へさせて頂いています。貴校のホームページ(http://www.gecer.mie-u.ac.jp/)で使用されているシンボルマークは旧版のものでした。既にそのことは認識されていますが,ホームページ改訂時に速やかに変更することを推奨します。(国際環境教育研究センター/認定シンボルマークの使用)」と提案がありました。

シンボルマーク(令和3年6月時点で最新のマーク)

「医学部での環境目標は,学内共通で掲げられているエネルギー使用量の削減,紙の削減となっています。他方,規格では,組織の事業プロセスへの環境マネジメントシステム要求事項の統合を確実にすることが求められています。この点に着目すると医学部では,低侵襲治療の開発,先端医療機器の開発などSociety5.0 にふさわしい研究をされています。この活動は,患者様負担の低減,省資源化,業務効率向上による作業時間の短縮につながるEMS の意図した成果,すなわち環境方針の実現に寄与するものと考えられます。手術用顕微鏡の小型化への取り組みは良い例だと拝察しました。EMS における”環境“の定義を広義に捉えて環境側面および環境影響を検討することに改善の余地があります。(医学部/6.1.2)」と提案がありました。

「貴校の有益な環境影響をもたらす環境側面として,太陽光発電設備の利用があります。太陽光発電設備は,ご承知の通り将来的には重金属を含んだ特別管理産業廃棄物となることが予想されます。早い段階から情報の収集に努めると共に産学協同事業としてリサイクルプロセスの研究に着手できないか検討されることを推奨します。(国際環境教育研究センター/6.1.2)」と提案がありました。

「サイト視察において,医学部の産業廃棄物置場を拝見しました。廃棄物置場には,廃蛍光灯が保管されていましたが,廃棄物処理法で規定されている掲示を満たしていない状態でした。ただし,他の部局の産業廃棄物置場は適切に管理されていました。環境関連法規制適用条件一覧【A】を確認すると2017 年10 月1 日施行の改正情報を詳細に反映されていないこと,および各部局への周知が徹底されていなかったことが要因と考えられます。以上のことから法改正情報の的確な特定およびその文書化,さらに該当する部局へ周知する一連のプロセスに改善の余地があります。(国際環境教育研究センター/6.1.3)」と提案がありました。

「今年4 月1 日に施行された改正フロン排出抑制法では,現場発泡用の硬質ポリウレタンフォームが指定製品として追加されています。人文学部校舎の改修工事では室内改修に発泡ポリウレタンフォームが使用されているようです。省エネ法では断熱材として,トップランナー制度に追加されていますが,フロン排出抑制法では,マイナスのイメージとなっています。直接貴校に係る法令ではありませんが,念のため確認されてはいかがでしょうか。(国際環境教育研究センター/6.1.3)

「貴校の環境関連情報は,ホームページ上で環境報告書をはじめ詳細に情報を公開されていることを確認しました。しかしながら,ホームページの通信回線が,SSL(Web サイトとそのサイトを閲覧しているユーザとの通信を暗号化するための仕組み)となっていませんでした。安全な情報公開の仕組みとして,SSL通信の採用を検討することに改善の余地があります。(国際環境教育研究センター/7.1)」と提案がありました。

「過去数年間に渡りエネルギー使用量の削減に努めてこられてきたことは環境報告書およびその他の資料から確認しました。今後さらに省エネを進めていくことは至難の業だと拝察します。知識的なことかもしれませんが,限界削減費用(追加的に温暖化ガスを一定量削減するのに必要な費用のこと)を割り出すことで貴校の取り組みの難しさを数字で表すことができるかもしれません。(国際環境教育研究センター/7.4.1)」と提案がありました。

「貴校の環境マネジメントシステムに関連する情報は,ホームページ上で「環境報告書」として外部へ情報発信されていることを確認しました。また,この報告書は,「環境報告書ガイドライン2018」に準拠したものとなっています。しかしながら,2018 年まで続けてこられた事業者の経年的な取り組み成果を理解しやすいように,主な実績評価指標の推移を一覧表示することを今年はされていませんでした。環境報告の基礎情報となることから継続されることを推奨します。(国際環境教育研究センター/7.4.3)」と提案がありました。

「環境パフォーマンスを含めた組織のパフォーマンス指標を外部へ公表するグローバルなガイドラインとしてGRI が発行しているGRI スタンダードがあります。多くの企業では,このガイドラインとの対照表を作成されています。貴校の環境報告書にこのガイドラインを編集方針として採用できないか検討することに改善の余地があります。(国際環境教育研究センター/7.4.3)」と提案がありました。

本年,人文学部校舎の改修工事をされています。その中で設計会社には,CASBEE(建築環境総合性能評価システム)を取り入れられていることを確認しました。評価結果を拝見すると,室内環境のポイントが2 点とやや低めに出ているように思います。その内容について,確認の上将来の改修に活かすことを検討することに改善の余地があります。(施設部/8.1)」と提案がありました。

本年,人文学部校舎の改修工事をされています。その中で設計会社には,CASBEE(建築環境総合性能評価システム)を取り入れられていることを確認しました。評価結果を拝見すると,室内環境のポイントが2 点とやや低めに出ているように思います。その内容について,確認の上将来の改修に活かすことを検討することに改善の余地があります。(施設部/8.1)」と提案がありました。

オンライン審査を受審する人文学部人文学部チーム(総務)

前回の審査所見への対応

「前回審査時の「一般観察事項および改善の機会」は,全て適切に対応されていました。」と確認が行われました。

Good point

肯定的観察事項(良かった点)

「教育学部は,環境教育(例えば,SDGs 教育や複合材料リサイクル研究等)を積極的に取り組んでおり,環境改善意識の高い教育者の育成に努めています。このことは,他の模範となり評価に値します。(7.2 教育学部 技術・ものづくり教育講座)」と評価されました。

オンライン審査を受審する教育学部技術・ものづくり教育講座

「人文学部では,継続して10 年以上,毎年「学部長と語る会」を開催しており,学生とのコミュニケーションを積極的に図っています。これは,他の模範となり評価に値します。(7.4.2 人文学部)」と評価されました。

「三重大学ペーパーレス宣言をしており,昨年度は報告書関連のみであったが,今年度は総ての書類のペーパーレス化が進んでいる。このことは,IT の時代に即した良い試みであり,達成可能に向けて推進していることは,評価に値します。(8.1 教育学部)」と評価されました。

「財務部では,人事評価の目標シートやコスト削減また,予算管理においても,タブレットを活用し,紙の削減やコスト削減(5%)また,一般管理費削減(10%)等成果を上げており,評価に値します。(8.1 財務部)」と評価されました。能に向けて推進していることは,評価に値します。(8.1 教育学部)」と評価されました。

オンライン審査を受審する財務部/経理チーム

「環境ISO 学生委員会では,清掃ボランティア活動において,熱中症や負傷者が出るような緊急事態に備えて対応フローチャートを作成し,例えば救護班を創設する等,各種活動の有効性を高める工夫をしています。このことは,他の模範となり評価に値します。(8.2 環境ISO 学生委員会)」と評価されました。

オンライン審査を受審する環境ISO 学生委員会

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