10第三者評価
第三者評価 東邦ガス株式会社
本学は毎年度,企業や近隣大学の関係する方々を三重大学にお招きし,互いの環境報告書や CSRレポートCSR(Corporate Social Responsibility)とは,企業の社会的責任のことを指します。
企業を大学に置き換えると,USR(University Social Responsibility)となり,大学の社会的責任となります。一般には,組織の称号が変わるため,SR(Social Responsibility)として国際規格(ISO26000:組織の社会的責任に関して検討しているガイドライン規格)も発行されています。
この社会的責任が果たせているかを組織が開示するために作成するレポートをCSRレポートと表しています。 などの内容を紹介してそれらに関する意見公交換を行ってまいりました。しかしながら,本年度は新型コロナウイルスの感染拡大を防止する観点からそれらの会合の開催を見送り,オフラインのピアレビューによって相互の報告書などを評価することと致しました。
以下に各レビュアーの皆さまから頂いたご意見を記載致します。
東邦ガス株式会社 CSR環境部 部長 肆矢 直司氏
<全般事項>
環境報告書の見やすさの工夫(過去からの推移が分かるサマリーやデータ一覧)
・Web化による検索機能の強化で,見たい記事へのアクセスは圧倒的によくなっていると感じました。一方で情報量が豊富な故に「全体像が分かりにくいのでは」といった印象も感じましたので,環境報告書の「概要版,またはページごとの印刷」や「環境への取り組みに関する年表」などがあると,初めて見る学生や一般の方々にも理解しやすくなるのではないかと思いました。
・「環境取組評価 環境負荷 環境に与えるマイナスの影響を指します。環境負荷には,人為的に発生するもの(廃棄物,公害,土地開発,戦争,人口増加など)と,自然的に発生するもの(気象,地震,火山など)がある。」「マネジメント 環境目的・環境目標」では,過去5年間のエネルギー種別がデータ表,およびグラフで掲載されており,エネルギーの使用に伴う環境負荷や省エネの取り組みによる経年トレンドが分かりやすいと感じました。
・一方,昨年版の報告書でも感じたのですが,別途,各活動のデータがまとまって過去からの変化点が分かるとよいと感じました(データ集など)。
・例えば,環境ISO学生委員会活動では,古本市や町屋海岸清掃活動について過去からのデータがありました。海岸ごみが一定量出続けていることや,参加者の減少で事務局が参加者募集で苦労されていることなどがイメージできます。さらに,海岸ごみは,その場でごみを回収するだけでは減らないという事実を基に,抜本的な対策を考える一助になるものと思います。
<個別事項>
特集 トピックス「大学インパクトランキング(SDG4)で国内1位タイ」
・SDGsの17のゴール全てに取り組まれていることに感心するとともに,8つものゴールで国内トップ10大学にランクインされていること敬意を表します。
どのような点(努力)が評価されたのか実際の取り組みとのつながりが分かると読者にとってより参考になると思います。
「環境教育」 三重大学SDGsシンポジウム
・SDGsの意識浸透活動については当社も課題と認識しており,「SDGsシンポジウム」を開催されたり,e-ラーニングコンピュータやインターネットなどの情報技術を活用して行われる,学習,教育の総称です。ネットワークを利用して配信することで,遠隔地でも学習が可能であり,教材の内容も最新版が提供しやすい利点があります システムを用いた「SDGs研修」といった質の高い取り組みは大いに参考になりました。一方で,SDGs活動を理解する人達の裾野を拡げるという意味で,ゲーム感覚で参加しやすい体験型カリキュラムのようなものがあってもよいかと思いました。
「マネジメント」 潜在的な環境課題へのリスクの特定,評価および対応方法
・リスクの特定方法や評価結果についてプロセスを追って説明されているので,三重大学で取り組まれている活動に納得感があります。
埋込で掲載されている「環境側面データシート」「環境影響登録簿の評価項目」についても,画像をクリックすると拡大表示するなど,活動の中身が一部でも見えるようになっていると,さらに読者の理解が深まると思います。