環境座談会 アフターコロナの環境問題について

  • 11 住み続けられるまちづくりを
  • 12 つくる責任つかう責任
  • 17 パートナーシップで目標を達成しよう

 
梅川

ありがとうございました。新しい生活様式の中でどのような経済活動をしていったらいいのかっていうお話でした。経済活動とは関係ないのかもしれませんが,私は家庭のごみ捨て担当なんですけど,このコロナの状況にあってもごみの量は減っていないような気がしますね。特にプラスチックごみが山のようになって捨てられています。
次は生協の山本専務にお願い致します。

山本

梅川理事が先ほど仰ったことを私も同じように感じております。私事ですが,今は津市内に単身赴任で一人暮らしをしているんですね。で,ぜんぜん自炊ができないうえに,感染リスクを避けるために外食もしなくなったので,必然的にコンビニとかのお弁当を買って帰ることが増えているんです。間違いなくそのせいで,私のアパートはプラスチックごみが増えています。
一般的かどうかは分かりませんが,ごみの問題は生活が変わってくると顕在化してくるように感じています。消費者からすると,商品はできるだけごみのでない容器であったり梱包であったりしていてほしいわけですが,そういったことを環境問題の側面からも意識する人たちが増えていけばいいなと思います。商品を販売する側の立場からすれば,そういった多くのごみを出さない,環境負荷 環境に与えるマイナスの影響を指します。環境負荷には,人為的に発生するもの(廃棄物,公害,土地開発,戦争,人口増加など)と,自然的に発生するもの(気象,地震,火山など)がある。の少ないエシカルなものを仕入れることによって,商品を手にする方が環境にやさしい行動を意識できるようなお店作りを進めたいと思います。

梅川

やっぱり経済が落ち込む中にあってもごみは減っていなかったんですね。
それでは学生の香川さんにお願い致します。

香川

はい,当委員会の活動目標である「学生の環境マインドの育成」をコロナ後にどう展開するかといった観点からちょっと考えてみたいと思います。
私たちの委員会では,学校に集まって皆が同じ空間を共有し,そこでのブレインストーミング集団になって,それぞれがアイデアを出し合うことによって相互交錯の連鎖反応や新たな発想の誘発を期待する会議・討論のやりかたで,課題抽出にも用いられることもあります。によって環境に関するイベントなどのアイデアなどを生み出したりしています。やはり学校での集会ありきの委員会ですので,このままオンラインでの活動を強いられるようであればいろいろと活動方針を変えていかなければなりません。先ほどの生協さんのお話にあったとおり,環境にやさしい商品の選択について,自宅から各学生に働きかけるような仕組みを考えることも一つのアイデアなのかなとも思っています。そういった状況に合わせながら,活動を変化させていく必要があるのかなと感じています。

梅川

なかなかオンラインでの課外活動は難しいですね。
大向さんの意見はいかがでしょうか。

大向

はい,プラスチックごみのことについてちょっと考えていました。収集回数の問題のような気もしていましたがどうやら違うようですね。
そうですね,今現在は世界でもステイホームの時間が長くなって工場などの稼働時間が減り,結果として大気がきれいになったなんて言うニュースを耳にしたりしています。確かに経済活動の自粛っていうのはある意味で環境にいい影響を与えているのかなっていう思いがあります。一方で,環境ISO学生委員会の立場からすると活動に制限がかけられたりすることにはモヤモヤするというか,ちょっとこう腹立たしい思いをしているというのが現状ですね。
7月の末には一時的にペットボトルのキャップや古紙の回収などの活動ができたんですが,その時の量がすごくて驚きを隠せませんでした。
でもそうですね,オンライン社会がもう少し成熟していけばこうした活動をしなくともペーパーレスなどによっておのずと3Rは達成するのかなって気もしています。
そうした中で,環境ISO学生委員会として何かほかにできることはないかと探っているところですね。
環境先進大学として三重大学の名を売り出すこというか全国に広めるためにも,三重大学発の取り組みを何か一つでもいいから生み出したいと考えています。
僕も香川さんの後を引き継いで委員長になりますが,三重大学発の取り組み,先ほどは3Rプラスと仰っていましたけど,そういったものに加担というか参画できるように,協力できるように委員会を運営したいなと思っています。以上です。

梅川

ありがとうございました。何かうまくまとまったような気もするんですが,最後に学長のまとめをお願い致します。

駒田

いろいろと考えたんですけどね。新しい生活様式のもとの,あるいはウィズコロナ,アフターコロナとなった時の環境先進大学ってどうあるべきかっていうようなことを考えました。
今日のお話の中にも気になることがあって,たとえばやたらとコピー用紙の使用が増えたってことですね。
やっぱりそれはアカンやろって思いますので,これはなんとかしてほしいし我々もアイデアを出さなくてはいけない。
プラスチックごみが増えたってことについても,それを減らすためにはどうすればいいのかっていうことを考えなくてはならない。 ほかにももっとあるんでしょうけれど,そういったコロナによる悪影響が顕在化したことについて,環境先進大学,あるいは環境ISO学生委員会として対策する必要があるということが一つですね。
もう一つは三重大学初の新しい取り組みを考えたいってことですね。これはなかなか難しいのでね,これからいろいろと考えなければいけないんでしょうけれど,いわゆる新しい生活様式を行うってことと環境にやさしいものを選択するということを仕訳ける,あるいは整理しておかないとややこしくなると思います。
新しい生活様式ということについても,鈴木先生が仰っていたように利便性を失いたくないってこともよく分かるんですよ。それを分かったうえで,かといって我慢をせずに新しい生活様式が成り立つかといえばそれもまた難しい。我慢しなきゃいけない部分と我慢してはいけない部分があるのではないかっていう気がしています。
僕なんかはこの前,思うところがあって断捨離っていうのを実行しましてね,いろいろなものを捨てたんですね。断捨離ってことの本当の意味は,要らないものを捨てることではなくて大切なものを見つけるってところにあるみたいなんです。
何が大切かっていうもの,これは捨ててはいけないものだっていうものを見つける。それが環境にいいものであれば捨てない。環境に悪いものであったときにそれを捨てられるかどうかということに関してはかなり考えなければいけないなと思います。少なくとも教育を含めて今現在の我々の生活をそれぞれの個人が振り返ってみることは必要かなと思いますね。
若い学生諸君にはですね,今までの大学生活を振り返ってみて何を大切にすべきなのか,どういったことをやめなきゃいけないのかってことについても考えて頂きたいと思います。ミニマリストになれっていうことじゃないですよ。
環境ISO学生委員会の方たちに関していえば,コピー用紙の使用が増えている,ごみが増えているっていうコロナの悪影響をどうするかっていうことが一つと,ウィズコロナ,アフターコロナとなった際にも断捨離できないようなものを選び取る,そういったところについて考えて頂きたいと思います。
あとは余談となります。
ある企業の社長さんとお話をしているときに,いわゆる夜の街っていうのはコロナの感染者が発生しやすいですよねって話題になりました。一方で,同じ東京であっても料亭などではクラスターの発生が認められていないですよねと。要するに,一つのところに集まって食べたりお話をすることが感染のクラスターを生むのではないんだと,やはり個々人の意識,普段の生活の様式などによって感染のリスクに差が出るのではないかといったお話でした。
そういったところがコロナの感染予防に関しても環境に関しても学ぶところなんじゃないかなと思います。環境の文化を学ぶということは,委員会活動をしている時だけではなくてね,社会に出た後も皆さんが自然とそういう資質を身についていることがポイントとなります。
環境ISO学生委員会の皆さんにはですね,是非とも知恵を絞って三重大学発の,先輩から引き継いだことにプラスした何かを見つけて頂きたいと考えています。
これは必要ないからやめた方がいいっていうことも含めて大学に提言してください。

梅川

ありがとうございました。私はこの座談会の進行は2回目なんですが,今回は全ての話に納得することができました。

駒田

僕も気持ちがすっきり整理できましたよ。なんだか心の安定を得たような気分ですね。

梅川

そう言ってもらえると我々としてもとても嬉しいです。
それではみなさんの拍手でもってこの座談会を閉会したいと思います。
皆さまお忙しいところを長時間のお付き合いを頂きまして本当にありがとうございました。

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