4サステイナブル・スマートキャンパス
省エネ積立金制度
- 7 エネルギーをみんなに、そしてクリーンに
- 12 つくる責任つかう責任
- 13 気候変動に具体的な対策を
三重大学では,病院の診療などを含めた教育研究活動で使用するエネルギーの量(原単位)について,基準年度(平成27年度)に比して6%削減するという目標を掲げています(第3期中期目標)。「環境先進大学」を標榜する本学は,従前より省エネルギ―(低炭素化)に資する取り組みとして「スマートキャンパス活動に伴い利害の影響を受ける関係者のことです。大学の場合,教育・研究活動に伴い利害の影響を受けるのは学生であり,学生の保護者,地域の企業,行政などが上げまれます。一般的な企業では,株主,経営者,従業員,顧客,取引先などになります。 (ハード面)」や「MIEUポイント(ソフト面)」などのさまざまな施策を実施してきましたが,こうした乾いた雑巾からさらなる効率改善手法を絞り出すのは並大抵のことではありません。そういった中にあって,我々は自らに課した前述の目標を達成するために,限られた資金をエネルギー施策に振り向けるためのスキームとして『省エネ積立金制度』といったエネルギー改善資金を調達する仕組みを創設致しました。
<制度の枠組み>
- 制度を構成する資金は部局(学部など)と法人本部から1:1の割合で出資するものとする。
- 部局からの出資(積立)額は,前年度に使用したエネルギー量に対する料金の5%に相当する金額とする。こういった賦課を課すことにより,部局のエネルギー消費量削減に対するモチベーションの向上を促すことが期待できる。
- 部局が積み立てた資金とほぼ同額となる金額を本部の予算から拠出し,その合算した予算でもって部局の省エネルギー対策工事(高効率空調機や照明器具の更新など)を実施する。
- 本部から拠出する予算については,上水の井水利用化やスマートキャンパスの運用で得られた資金を充てるものとする。
- 省エネルギー対策工事の選定については,公平性を担保するために全学委員会である施設整備委員会が担当するものとする(計画案の作成は省エネ専門委員会が担当する)。
<制度のメリット>
- 部局に対しては,出資金額の抑制を目的とした省エネルギー行動の動機づけとなる。
- 部局としては,出資した金額以上の見返り(省エネルギー対策工事)を享受できる。
- まとまった金額を積み立てることにより,外部資金の獲得(補助金のアプライ)が可能となる。結果として,本制度で積み立てた資金を原資として計画したESCO事業省エネルギーのさまざまな施策・設備・維持・管理などのサービスを提供する事業の総称で,エナジー・サービス・カンパニーの略称。
ESCO事業者が施設の省エネ改修の費用を負担する代わりに,一定期間,改修で浮いた光熱費から経費と報酬を受け取る方式が主流で,施設保有者にとっては,改修のための費用を工面せずに省エネ設備に切替えられるメリットがある。 が環境省の補助金(ASSET)を獲得するところとなり,同事業で実施した附属病院の省エネチューニング 空調機の温湿度条件の緩和,除湿・再熱制御システムの運用見直し,およびボイラー,冷凍機などの熱源運転方法の調整などにより,室内の快適性を損なわずに省エネ化を図る手法。 が令和元年度の大幅なエネルギー使用量の削減に与することとなった。