7環境コミュニケーション
附属学校の環境活動
附属幼稚園の取り組み
- 4 質の高い教育をみんなに
附属幼稚園では,幼児期から身の回りの環境に興味や関心を持ち,自然を大切にする気持ち,命を大切にする心を育むことが大切であると考え,四季折々の自然を十分に感じられる園庭環境を整えています。自然物を活かした遊び,野菜の栽培,生き物の飼育などの直接体験を通して環境教育につながっていく取り組みを行っています。
豊かな自然の中で夢中になって遊び,さまざまなことを感じ,気づき,試すことを繰り返すことを通して好奇心・探究心・思考力・表現力などが養われ,小学校以降の学習の土台となる力が育まれることが期待されます。
また保護者の協力も得ながら,一緒に行うことで幼稚園と家庭が車の両輪となり,子どもの育ちを支えています。
<自然の中に身を置き,思い切り遊ぶことを通して学ぶ>
幼稚園には48種類,100本あまりの樹木があり,草場もたくさんあります。四季折々の姿を呈する園庭の自然に刺激を受け,子どもたちも季節に応じた遊びを展開します。シロツメクサやオオバコ,カラスノエンドウなどで遊んだり,樹木の日陰で涼しい風を感じたりしながら夢中になって遊びます。草花の生長を間近に見たり,土や泥,水などの感触を味わったり,空を見上げて雲の様子を見たりして感じたことを言葉で表現することから,身の回りの環境への気づきが引き出されることもあります。また園庭にはさまざまな虫や生き物がおり,興味をもって生態を観察したり飼育したりしています。放っておくと草がどんどん伸びてくる環境でもあるので,保護者と一緒に草取りをし,心地よい環境を自分たちで作ろうとする気持ちを育てていくことも考えています。
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豊かな自然のある園庭で遊ぶ(R2.5)
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木陰の心地よさを感じながら遊ぶ(R2.7)
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土や泥,水の感触を味わいながら遊ぶ(R2.5)
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保護者といっしょに園庭の草をとる(R1.9)
<命を感じる教育>
各クラス前の花壇やプランターではパンジーやパセリ,アサガオやヒマワリも育てています。また園庭のあちらこちらにハーブやフジバカマを植え,ハーブの香りを楽しんだり,アサギマダラが来るのを楽しみにしたりできるようにしています。園庭で見つけられる昆虫や生き物も多く,子どもたちは捕まえて虫かごに入れ,しっかりと観察する中で命の尊さを感じながら育てています。また幼稚園で飼育しているウサギを年長児が毎日世話をし,様子をよく見て可愛がることを通して命の大切さを感じています。
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園庭で見つけた生き物を観察する(R2.6)
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ウサギの世話(R2.6)
<遊ぶ環境を自分たちできれいに整える>
保護者が中心となって行う園舎の大掃除では,園児もできることを手伝います。保育室を清潔に保ち,整理整頓することは日ごろから行っていますが,年に一度の大掃除では,普段手の届かない場所を保護者にきれいにしてもらいます。保護者が保育室を掃除している間,園児は園庭で落ち葉を集めたり,草を抜いたりして自分たちの遊ぶ空間をきれいにしようと頑張ります。
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大掃除で荷物の運び出し(R1.10)
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園庭の落ち葉集め(R1.10)
ごみの分別(R2.7)
附属小学校の取り組み
- 4 質の高い教育をみんなに
- 12 つくる責任つかう責任
小学校では,今年度は5年生の総合的な学習の時間,4年生の社会科・国語科,を中心に,環境にかかわる学習を1年間かけて進めていく予定です。
<4年生の実践>
1学期は,「食品ロス」をテーマに,学習を進めていきます。食品ロスの現状について知り,問題を把握し,解決方法を考えています。本学習では,子どもたちの身近なテーマである「学校給食における食品ロス」から市,県,国,世界全体へと広げながら進めていきます。
〇5月
まずは,SDGsについて知り,SDGsと本学習のかかわりについて考えました。
子どもたちは,ワークシートに調べたいこと,調べる方法,インタビューする人をまとめ,班でテーマを決めました。
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5年生の実践①(R2.5)
〇6月
自分たちが調べたい内容を本やiPad,パソコンを使って調べたり,栄養教諭や調理員の方にインタビューに行ったりしていました。また,学校の給食廃棄量から1ヵ月の平均値と食品ロス率を計算することにも取り組みました。
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5年生の実践②(R2.6)
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5年生の実践③(R2.6)
〇今後について
食品ロス以外にも,日本の食料自給率の問題についても考えていきます。問題について調べ,解決方法を考えます。自分の問題として捉え,自分として何ができるのかも考え,話し合い,発表します。
<4年生の実践>
4年生では,社会科でのごみ学習,国語科での新聞づくりを中心に学習を進めています。
ごみ学習では,西部クリーンセンターや津市リサイクルセンター,ごみ収集場所の見学を通して,ごみがどのように収集され,分別・回収されるのか,また,どのように処理されるのかについて学習しました。
見学したことや各自が調べたことを基に,ごみ処理について話し合いました。
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4年生の実践(社会科)①(R2.6)
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4年生の実践(社会科)②(R2.6)
国語科では,「新聞を作ろう」の単元で,社会科で学習したり考えたりしたことを新聞にまとめました。まず,新聞の仕組みについて学習し新聞を作り始めました。次に個人でテーマを考え,画用紙にまとめていきました。
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4年生の実践(国語科)(R2.6)
附属中学校の取り組み
- 4 質の高い教育をみんなに
附属中学校では,毎年,育友会の方々と協力して「クリーン大作戦」と題した校内の清掃活動を行っています。
例年,梅雨に入る前の6月初め頃と9月の体育祭前に実施しており,暑い時期にもかかわらず,早朝から多くの生徒・保護者・教員・教育実習生が参加して,除草作業やごみ拾いなどを行います。
生徒たちが,仲間と一緒になって草をぬく姿や,集めた草で重くなったごみ袋をいくつもトラックまで持っていく姿があちらこちらで見られます。刈り取った大量の草や集められたごみは,育友会の方が手配した業者さんの2台のパッカー車に入れられて,次々と運ばれていきます。鬱蒼と茂っていた雑草が取り除かれ,さっぱりとしたグラウンドや中庭,体育館周辺などを見た生徒たちは,暑い中で作業をやり遂げたという達成感を得られています。和気藹々とした雰囲気の中で,年2回行うこの取り組みは,学校の環境を整えるために朝早くから除草作業を行ってくれた保護者の方へ感謝しながら,あらためて環境美化について考える大切な機会となっています。
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クリーン大作戦①(R1.8.31)
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クリーン大作戦②(R1.8.31)
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クリーン大作戦③
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クリーン大作戦④
附属特別支援学校の取り組み
- 4 質の高い教育をみんなに
小学部では,昨年度卒業式に飾るビオラを育て,令和元年度の卒業式に飾る予定でした。しかし,卒業式は,卒業生と保護者,職員だけの参加となり,在校生は卒業式の日にお祝いすることができませんでした。小学部で育てたビオラは,在校生の思いを受けて卒業式に花を添えていました。
野菜や果実を育てて世話をすることで,植物の生長を感じ日々の生長を楽しみにしています。昨年植えたイチゴには,大きなイチゴが実り,食べるのが苦手な子どもも自分たちが育てたイチゴをおいしく頂きました。子どもたちも自然の中での命の尊さを実感することができました。これからは,自然の恵みに感謝して野菜や果物を食べることができる子どもたちに成長していくことを期待しています。
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イチゴの苗の世話(R1.10.02)
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イチゴの苗の世話(R2.01.24)
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イチゴの収穫(R2.01.10)
今年度は,小学部各クラスで栽培活動に取り組んでいます。
5,6年生が在籍する3組では,サツマイモ,ゴーヤ,小松菜を栽培し,日々の生長を楽しみにして,主体的に水やりを行っています。2組ではマリーゴールド,1組ではヒマワリを植え,夏にたくさんの花を咲かせることを楽しみにしています。
小学部の子どもたちも学校の環境を整えるためにさまざまな取り組みをしています。子どもたちの思いを受けて,花いっぱいの素敵な学校になることを願っています。
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1組「ヒマワリの種植え」(R2.05.26)
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2組「マリーゴールドの水やり」(R2.06.01)
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3組「野菜の水やり」(R2.06.08)