令和5年度は、本学を卒業した先輩方の様子を特集として紹介します。
 国立大学は、平成16年4月から法人化し、国立大学法人となったことに伴い、大学の自主性を尊重するようになりました。本学では環境先進大学を目指すことを掲げて、環境マインドを育成することに注力し学生を輩出してきました。
 環境・SDGs報告書2023では、環境マインドを持った卒業生が、社会で活躍している様子を知っていただくことを目的に特集を編成しました。
 本報告書では、4名の卒業生に現在の活動の様子を取材していますが、その内2名は、在学中に環境ISO学生委員会として積極的に環境活動をしていた方です。
 本学で学び卒業した後に、社会人として活躍している様子が伺えます。

卒業生の活動③

  • 4 質の高い教育をみんなに
  • 14 海の豊かさを守ろう
  • 15 陸の豊かさも守ろう
  • 17 パートナーシップで目標を達成しよう

<NPO法人四日市ウミガメ保存会代表理事/22世紀奈佐の浜プロジェクト三重県代表>下田 菜生
(平成28年3月卒業 教育学部技術教育コース)

現在の活動

 個別指導塾や家庭教師など学習支援業で生計を立てながら、一方でボランティア活動として平成28年から22世紀奈佐の浜プロジェクト三重県代表を、平成29年からNPO法人四日市ウミガメ保存会代表をしています。特に四日市ウミガメ保存会としては、楠地区まちづくり検討委員会が主催しているウェルカメよっかいちという事業に共催し、毎月第1日曜日に雨天決行で海岸清掃と外来植物駆除、そして自然に関する勉強会も必ず行っています。参加者は雨天でも毎月100名ほど、多い時には600名ほどの参加があり平成21年1月から始まったこの活動はのべ1万人以上の方が参加しています。この団体は平成21年に前任者が立ち上げ、平成19年の海岸清掃100回目をもって40代にしてどこの市民団体でも課題となっている後継者問題を挙げ、当時20代への私へバトンタッチをしたという稀有な例であると思います。

在学中の活動

 学部での専攻はものづくりでしたが、一方で環境ISO学生委員会に所属し環境活動にも携わっていました。興味としては環境に対してよりもものづくりの方が強く、環境はものづくりをしていくうえで考えずにはいられない存在という程度の認識でした。その中でも環境ISO学生委員会で活動を続けたことは、環境について知識をつけていくことでものづくりでの視点が多面的に捉えられると感じていたところが大きいです。また、学外での活動として22世紀奈佐の浜プロジェクトにもかかわり、東海圏の大学生を巻き込んで学生交流会を立ち上げ環境に興味のある学生もない学生も一緒に未来の伊勢湾について考えられる機会づくりを行いました。この団体も今は22世紀奈佐の浜プロジェクトの学生部会と名前を変え、世代をつなぎ、活動は続いています。

今後の目標

 四日市ウミガメ保存会の活動拠点としている吉崎海岸は、この秋に環境省が認定する自然共生サイトとして認められる見込みとなっています。(9月下旬認定予定)これは自然豊かな場所として、国が認める制度になります。吉崎海岸は砂浜にしかいない鳥、昆虫、植物、菌類など多くの絶滅危惧種のものが確認されており、これらを後世に残していけるよう活動を続けていきます。

在学生や本学を目指す高校生へのメッセージ

 大学の専攻にとらわれず、少しでも興味を持ったことには踏み込んでみてください。もちろんそれが自分の中ではまらない内容であることも少なくないと思います。それも含めてひとつの経験としてのちに生きることがあるでしょう。是非とも少しでも興味を持ったことがあれば学生という有限の時間を有効に活用してみてください。その一歩が新たな出会いを生むことも多いはずです。

受賞履歴

市民活動賞(第25回水大賞)22世紀奈佐の浜プロジェクトとして
https://www.japanriver.or.jp/taisyo/jyusyoushiki/no25/index.htm

百年賞(第一回JACEイベントアワード)22世紀奈佐の浜プロジェクトとして
https://award.jace.or.jp/archive/2015/nominate_02_04.html

  • 外来植物駆除の様子(R4.9.4)

    外来植物駆除の様子(R4.9.4)

  • 海岸清掃の様子(R4.10.2)

    海岸清掃の様子(R4.10.2)

  • 市民活動賞(第25回水大賞)発表の様子(R5.6.13)

    市民活動賞(第25回水大賞)発表の様子(R5.6.13)

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