2特集
令和5年度は、本学を卒業した先輩方の様子を特集として紹介します。
国立大学は、平成16年4月から法人化し、国立大学法人となったことに伴い、大学の自主性を尊重するようになりました。本学では環境先進大学を目指すことを掲げて、環境マインドを育成することに注力し学生を輩出してきました。
環境・SDGs報告書2023では、環境マインドを持った卒業生が、社会で活躍している様子を知っていただくことを目的に特集を編成しました。
本報告書では、4名の卒業生に現在の活動の様子を取材していますが、その内2名は、在学中に環境ISO学生委員会として積極的に環境活動をしていた方です。
本学で学び卒業した後に、社会人として活躍している様子が伺えます。
卒業生の活動④
- 17 パートナーシップで目標を達成しよう
<三重県津市役所勤務>紙本 尚
(平成26年度卒業 人文学部 法律経済学科)
在学中の活動の思い出
私は、環境ISO学生委員会に平成23年度から4年間所属し、落ち葉コンポストやグリーンカーテンなどの緑化活動を中心に取り組みました。特に印象に残っている活動は、学内の三翠ホール前にあるモニュメント「いつつの支えあうかたち」をモチーフに花壇の植え替えを行ったことです。5学部が互いに支え合っている姿を表現していることに因んで5種類の花を植えました。キャンパス環境整備グループの方々と協働で行い、支え合うという理念に沿った素敵な花壇ができました。愛着が湧き、早朝や夕方に水やりを行い、授業の合間にも様子を見てお世話をしていました。
環境ISO学生委員会の活動を通じて、組織でプロジェクトを進めたり、大学の方々や企業、地域の方々と接したりなど貴重な体験に恵まれました。新しいことに挑戦する学生生活を心掛ける一方で、時には仲間に負担を強いて苦悩することもありました。失敗や苦労、反省を積み重ねていく中で、仲間との絆も深まり、自身も成長できました。文書作成やスケジュール管理のスキル、コミュニケーション力などが育まれ、社会人になってからも生かされています。卒業が名残惜しく、三重大学にいつまでも残って活動し続けたいという気持ちもありましたが、地域に貢献するため、津市役所へ就職しました。
現在の活動
大学卒業後の3年間は津市環境部へ配属され、環境に携わる部署で勤務しました。特に大変だった業務は、秋頃にメッセウイング・みえで開催した「つ・環境フェスタ」というイベントです。環境に関する知識・体験を深め合うことができる行事で、環境ISO学生員会には出展だけでなく、運営スタッフとして協力いただきました。私は事務局の一員として、出展者の募集や会場のレイアウトなど各地域や団体、企業の方と協力して半年以上かけて準備を進め、当日の運営に携わりました。何度も壁にぶち当たり、1人では決してできない大きな行事でしたが、実行委員の方、職場の先輩方に支えられて無事にイベントを開催できました。達成感がある一方で、自身の未熟さも痛感しました。
現在は市民部の配属ですが、あらゆる業務に携わって頼りにされる職員になれるよう日々業務に励んでいきます。いつの日かお世話になった三重大学にも立派に成長した姿を見せられる機会が訪れるといいなと思っています。
在学生や本学を目指す高校生へのメッセージ
学生時代のつながりは一生の宝です。悩み事や将来のことなど社会人になってからでも気楽に語り合える関係でいられます。しかし、卒業後には仲の良かった友人と直接会って集まることは困難になります。「忙しい」と言い訳することは簡単ですが、時間は創り出すものとして捉えましょう。三重大学には、学業以外にもさまざまな経験を積む環境が充実しています。学生でいられる限られた時間を大切に、困難に挑戦し続けて仲間との関係を深めてください。
一緒に三重大学の誇れる人財を目指しましょう。