3環境・SDGsコミュニケーション
松名瀬干潟での海岸清掃活動および生物多様性学習
- 4 質の高い教育をみんなに
- 11 住み続けられるまちづくりを
- 14 海の豊かさを守ろう
- 17 パートナーシップで目標を達成しよう
令和4年10月22日(土)、本学北勢サテライト「SDGs研究会」と三重中学校・高等学校主催、伊勢新聞社共催、三重県と松阪市後援、トヨタ自動車株式会社協賛による「トヨタソーシャルフェス2022 in 松名瀬」を開催し、地域住民、中部電力株式会社などの企業関係者、行政関係者、本学のESD-SDGsクラブ・環境ISO学生委員会のメンバー、三重中高の科学技術部のメンバーなど約100名の参加による、松名瀬干潟での海岸清掃活動および生物多様性学習を行いました。
「トヨタソーシャルフェス2022 in 松名瀬」は、平成24年の「アクアソーシャルフェス2012」から始まり、毎年、開催されていますが、コロナ禍により、過去2年間は開催できず、10年目となる今回、再開されました。
開会式において、同会代表である朴 恵淑本学特命副学長(環境・SDGs担当)(当時)は、松名瀬干潟は日本の重要湿地500にも登録されている、前浜干潟・河口干潟・潟湖の3つの干潟からなる伊勢湾最大級の干潟であり、海岸の環境保全と次世代とともに生物多様性を学べる身近な海岸であることから、海岸清掃はもちろんのこと、人間と生き物の調和の取れた持続可能な地域創生のモデルとして、松名瀬干潟のラムサール条約登録を目指して、産官学民のパートナーシップによる継続した活動を行うことが必要不可欠であると開会挨拶を行いました。
続いて、三重トヨペット株式会社の井上 喜晴社長は、EV車と水素社会をリードするトヨタMIRAIの展示を通じて、近未来社会の乗り物は、単なる移動手段だけでなく、災害時の電源供給源となる命を守る機能が期待されていることを強調し、携帯電話の充電、扇風機を回すなどの実演を行いました。
さらに、三重県の打田 雅敏大気・水環境課長は、三重県が実施しているみんなでつくる未来の伊勢湾プロジェクトの一環として、「トヨタソーシャルフェス2022」を通じて、三重県民の海環境への関心を高め、伊勢湾プロジェクトの成功につなげたいと挨拶を行いました。
参加者は、海岸のペットボトルやプラスチックごみなどを拾い集める清掃活動とともに、三重中学校・高等学校の科学技術部学生の指導のもと、ウミニナやアカテガニなど干潟に生息する水生生物の観察やあさりの水質浄化実験を通じた生物多様性について学びました。
海岸清掃活動および生物多様性学習の様子(R4.10.22)
閉会式において、竹上 真人松阪市長は、3年ぶりに再開できた「トヨタソーシャルフェス2022」に、地元の住民だけでなく、三重県、名古屋からも参加者が多く集まったことに感謝し、松名瀬干潟を守る環境活動が今後も続けられることを期待したいと閉会挨拶を行いました。
続いて、中部電力株式会社の稲垣 敬地域共生グループ長から、地域の環境保護活動に参加することは、企業の社会的責任を果たすだけでなく、地域の新たな価値創造に貢献することなので、今後も継続して参加することを言及しました。
参加者一同は、記念撮影の後、拾い集めたごみの分別作業に入りました。特に、深刻な海洋汚染源となっているプラスチックごみについて注目し、分別作業を行いました。拾い集めた45Lごみ袋の約70個のうち、3/4を超えるごみがプラスチックごみであったことが分かりました。参加者は、使い捨てのプラスチック製容器を使わないことや、平成18年6月からの本学と生協との連携によるレジ袋ないない運動の展開から始め、平成19年9月の伊勢市全域でのレジ袋有料化運動、平成20年11月からの松阪全域でのレジ袋有料化運動、平成24年3月までの三重県全域でのレジ袋有料化による約95%以上のレジ袋削減の成功事例のノウハウを活かし、身近な環境問題への積極的な取り組みについて考えました。
最後に、本学の朴 恵淑特命副学長(環境・SDGs担当)(当時)による閉会挨拶において、今後、松名瀬干潟には拾うごみのない三重県のみならず、日本、アジア、世界に誇れる海岸にすべく、プラスチックごみについて継続して調査を行うので、次回にも多くの参加を期待したいと語りました。
参加者アンケートに、今後の活動に参考となる下記のような感想がありましたので、紹介します。
- 「ごみがたくさんあって驚いた」
- 「人工物であるプラスチックのごみがかなり多く、人の活動の影響を感じた」
- 「松名瀬でこういう活動をしてもらえるのはありがたい。ぜひ続けてほしい」
- 「一般参加子供たちが三重大学や三重中高のお兄さんやお姉さんたちに自然とごみ拾いの途中で見つけた生き物について質問している姿を見て、次世代教育・生物多様性教育の観点ですばらしい光景だと感じました」
- 「とてもよい活動だと思うのでまた参加します」
- 「参加者の皆さんの熱意を感じました」
- 「海岸清掃に参加できてよかった。海岸をきれいにできたという達成感があります」
- 「環境に対する課題に対して企業が費用を投じて活動を企画してくれていることを感謝します」
- 「映像で見るよりたくさんのごみがあったので、ごみ問題への関心が高まった」
- 「EV車や水素車MIRAIの展示車がとても格好よく興味を持ちました」