3環境・SDGsコミュニケーション
環境ISO学生委員会
- 2 飢餓をゼロ
- 4 質の高い教育をみんなに
- 11 住み続けられるまちづくりを
- 12 つくる責任つかう責任
- 14 海の豊かさを守ろう
- 15 陸の豊かさも守ろう
- 17 パートナーシップで目標を達成しよう
概要
環境ISO学生委員会は、平成18年2月21日に「MIEキャンパス宣言」を掲げ、学生の環境マインド向上を活動理念として発足しました。学生目線の活動を学内・学外で行っており、3Rと緑化、地域連携活動に大別されます。3R活動では、不要になった家具や家電、自転車を回収し、主に新入生へ譲渡しています。また、エコキャップ回収活動や、生協と連携してリ・リパックの回収を行っています。緑化活動では、冷房の負荷軽減のため、緑のカーテンの設置や、落ち葉を活用した堆肥化(コンポスト)など、学内の緑化を行っています。地域連携活動では、近隣住民と連携して、海岸清掃の実施や、環境イベント(主に県内)への出展を行っています。そして、これらの活動をSNSやWebサイトなどに掲載することで、三重大学の内外を問わず、環境マインドの向上を図っています。
3R活動
<リ・リパック回収>
リ・リパックは、表面のフィルムを剥がすことで容器を再利用できるお弁当のことで、三重大学生活協同組合で販売されています。当委員会では、月に1回を目安に学内各所のリ・リパック回収ボックスよりリ・リパックを回収し、三重大学生活協同組合の方にお渡ししています。ただし、リ・リパックは回収率が40%以下になると環境への負荷の方が大きくなってしまいます。そこで、回収率の維持・向上を目指し、回収ボックスのリニューアルやポスターの設置を行ってきました。
講義形式がほぼ対面となった令和4年4月から令和5年6月には計2,115個の回収を行い、前年度より大幅に回収量が増加しました。
<古本回収・譲渡>
当委員会では、不要になった古本を、学内に3か所ある古本回収ボックスにて回収し、無償で三重大学生や教職員に譲渡する古本市を開催しています。回収した本は分類コードに従って分類し、状態が悪いものは古紙として処分・再生利用しています。
令和4年5月は一部オンラインで古本市を開催しましたが、令和5年6月は完全に対面で行い、古本の譲渡率6割を達成しました。
<インクカートリッジ・トナーカートリッジ仕分け作業>
エコステーションではインクカートリッジ・トナーカートリッジの回収も行っており、当委員会は「インクカートリッジ里帰りプロジェクト」に参加しています。
インクカートリッジ・トナーカートリッジは、それぞれ指定の企業の純正品は再利用できます。そのため、これらを三重大学生活協同組合の方と協力して仕分け作業を行い、メーカーに送るという活動を、2、3か月に1回を目安に行っています。令和4年4月から令和5年6月には計4回の仕分け作業を実施しました。
<エコキャップ回収・譲渡>
エコキャップは、大学構内のエコステーションという場所で回収しており、月に1回の回収作業を行っています。エコステーションでは、ほかにもさまざまな資源を回収しています。
回収したエコキャップは、株式会社三和コーポレーション(特定非営利活動法人エコ・ワクチン協力会ペットボトルキャップ引取事業所)へ、2、3か月に1回を目安に譲渡しています。当活動により、エコキャップ処分時に発生するCO₂が削減されることや、エコキャップが資源として利用されることなどが期待されます。
令和4年4月から令和5年6月には計4回の譲渡を行い、エコキャップの総重量は516 kg、CO₂の削減量は1,625 kgでした。
(1kgのキャップを燃焼処分すると、3,150gのCO₂が発生するものとして換算)
エコキャップの主な素材である、PP(ポリプロピレン)とPE(ポリエチレン)に含まれる炭素の原子量から燃焼時に発生するCO₂量を求めています。
具体的な計算方法は以下の通りです。
PPはC₃H₆(42)、PEはC₂H₄(28)ですので、PP、PEの質量をそれぞれ1としたとき、炭素の質量は36÷42、24÷28よりどちらも0.857となります。
また、これらの焼却はC+O₂→CO₂と表され、炭素C(12)がCO₂(44)として排出されるということが分かります。
つまり、炭素は44÷12=3.6667 倍の質量のCO₂になって排出されるということです。
そのため、0.857(PPとPEに含まれる炭素)×(燃やした時の増分)=3.15となります。
よって、1㎏のキャップを燃やした場合、3.15 ㎏(=3,150g)のCO₂が排出されるという計算になります。
(※原子量:H=1、C=12、O=16として計算)
<古紙回収>
エコステーションでは、古紙の回収も行っています。エコステーションで回収した古紙を、学内の古紙回収BOXに運ぶという活動です。古紙回収BOXに入れられた古紙はトイレットペーパーにリサイクルされ、三重大学に還元されています。
令和4年4月から令和5年6月には計3回の回収を行いました。また、段ボールのような回収対象でないものがエコステーションに持ち込まれることを防ぐため、注意喚起のポスターを作成しました。
古紙回収BOX(R5.8.10)
古紙回収(R5.4.19)
<リユースプラザin三重大>
リユースプラザは、卒業生から回収した不要な家具・家電(冷蔵庫や洗濯機、炊飯器、棚など)を、動作確認を行い、新入生や在学生に無償で譲渡するイベントです。当活動は、三重大学生によるものと考えられる町屋海岸への不法投棄を防ぐために始まりました。実際に、当活動開始以後、町屋海岸への家具・家電の不法投棄は減少しています。加えて、捨てられるはずだった家具・家電を回収・譲渡することで資源を再利用できます。
令和4年度はオンラインと対面を組み合わせたハイブリッド形式で開催しました。広報手段を改善し、前回は達成できなかった目標の90%の譲渡率を達成しました。しかし、譲渡する家具・家電の不足がみられたため、令和5年度リユースプラザでは回収する家具・家電について再検討を行う予定です。
放置自転車対策活動
<自転車修理>
広い敷地を持つ本学は自転車を利用する学生や職員が多いため、放置自転車が問題となっていました。それを受けて平成19年度より当委員会が学務部に協力する形で放置自転車対策活動が始まりました。
本活動は回収・修理・譲渡といった一連の流れを一年を通して行っています。令和5年度は、大学の講義が対面で始まり、自転車を使用する生徒は令和4年度のコロナ禍に比べて増加していました。
また、令和5年度から、3月に行われるリユースプラザで卒業生から不要になった自転車を回収する活動も新たに始めました。リユースプラザにて回収した自転車は、3月の譲渡会では譲渡せず、防犯登録の削除と修理を行った後、留学生へ譲渡を行う予定です。
全体の活動を通して、放置自転車として回収した299台のうち修理可能と判断した9台の自転車を修理しました。
放置自転車一次移動(R4.10.29)
修理(R5.2.16)
緑化活動
<屋上緑化>
環境・情報科学館の屋上では、建物の冷房負荷の軽減や温室効果ガス吸収を目的とした緑化活動を行っています。
令和4年度は、新型コロナウイルス感染症により屋上が開放されなかったため、花は植えず除草のみを行いました。
令和5年度から、晴れた日は屋上が開放され、誰でも立ち入ることができるようになりました。「見て楽しむ憩いの場」としての機能を果たせるよう、定期的な除草と季節に適した植物の植栽を行います。
<落ち葉コンポスト>
学内にはさまざまな種類の木々が植えられ、緑あふれるキャンパスとしての役割を果たしています。一方、寒い季節になると落葉し、側溝に詰まり排水を妨げます。そこで、資源循環の観点から、その落ち葉を堆肥化するべく、平成19年度に活動を開始しました。
まず、学内の清掃・緑化活動を行っているキャンパス環境整備室から、回収した落ち葉の提供を受け、コンポストと呼ばれる堆肥をつくる場所へ運びます。その後、落ち葉の山をスコップでかき混ぜ水をかけ、中の微生物に落ち葉の分解を促す「切り返し」と呼ばれる作業を1か月に1度行います。この作業を1年ほど繰り返すと、落ち葉が細分化され堆肥が完成します。
令和5年度は、緑化班が使用する花壇のいずれかで、作成した堆肥を利用したいと考えています。
<グリーンカーテン>
毎年、緑化活動の一環として、環境・情報科学館前のプランターで行っている取り組みです。夏場の室温低下および景観美化を目的として行います。令和4年度は、ヘチマでグリーンカーテンを作りました。上への伸びは良かったですが、横の伸びが小さかったことが課題でした。緑化に加え、他の活用方法があることもこの活動の魅力です。
令和5年度は、ゴーヤと朝顔のグリーンカーテンに挑戦しています。40個あるプランターを20個ずつ利用しています。景観やツルの広がり具合を考慮し、どちらがよりグリーンカーテンとして優れているか考察する予定です。
朝顔の種は西洋朝顔、品種はスカーレットオハラです。この品種は、酸性雨に当たると花弁が変色するため、降った雨が酸性雨か否かを簡易的に判断できます。
植える時期が遅く、成長に影響が出ていることが心配です。ヘチマのグリーンカーテン以上に大きく成長するよう、手入れをしていきます。
ゴーヤ(R5.6.28)
(R5.7.25)
(R5.7.28)
朝顔(R5.6.28)
(R5.7.28)
(R5.7.28)
<食用カンナ>
食用カンナは、令和4年度より教職支援センター前の花壇で始めた活動です。食用カンナは、ほとんど手間をかけず栽培可能です。庭先に植えておくことで、災害などにより食料入手が困難な際、一時的な飢えしのぎに有効ではないかと期待されています。
令和5年度は、三重大学の研究に使用されている畑のうち、36㎡を借りて栽培しています。借りた面積の半分は、N:P:K=10:10:10の肥料を900g使用しています。種イモとなるカンナは1個当たり50gから70gです。施肥する畑(写真奥側3列)としない畑(写真手前3列)を作り、施肥が収穫量にどの程度影響を与えるのか調査します。結果は、秋頃に分かる予定です。
<教職支援センター前の花壇(通称ISO花壇)>
令和4年度は、こちらの花壇で食用カンナを栽培していました。例年は季節に適した花を植栽し、学生の環境マインド向上や景観美化に努めています。
令和5年度は、サンパチェンスという花を植栽しました。この花は、他の花よりCO₂吸収量が多いと言われています。昨今、地球温暖化が叫ばれる中、温室効果ガスの一種であるCO₂の吸収量が多いことは非常に有用であると思われます。微々たる量でも地球温暖化抑制に貢献できればと考え、サンパチェンスを植栽しました。
地域連携活動
<町屋海岸清掃>
町屋海岸は、本学から歩いて5分ほどのところにある海岸で、過去に家電やペットボトルのポイ捨てなど、さまざまなごみの不法投棄が問題とされていました。これを知った当委員会と地域住民が協力して立ち上がり、「裸足で走れる町屋海岸」を目指して年5回、海岸清掃を実施しています。この活動では単に海岸清掃をするだけではなく、その中で環境問題を自分にとって身近なものと捉えてもらい、環境について改めて考えてもらうきっかけにしたいと考えています。また、清掃を通じて地域の方々との交流が広まることで、年代や立場に関係なく、さまざまな人とのつながりを築く場になることを目標としています。
第79回町屋海岸清掃集合写真(R5.3.19)
第80回町屋海岸清掃の様子(R5.5.21)
広報活動
< Webサイト >
当委員会の活動を学内外へ広報するために、平成18年度からWebサイトの運営を開始しました。大学の公式webサイトの一部として責任を持って運用しております。主にイベントの告知やイベントの予約フォーム、活動報告のために利用しています。令和4年度は新型コロナウイルスの影響が収まりつつあった時期でもあり、リユースプラザでは対面とオンラインで物品の予約を行いました。そのオンライン開催の方ではWebサイトを用いながら開催しました。Webサイトはどこからでも手軽に見られることから、今後のコロナウイルス収束後もこの良さを活かして運営をスムーズに進行させることにつなげられそうです。
< SNS >
より多くの人達への発信を目的に当委員会はX(旧:Twitter)を運用しています。主にイベントの告知と活動報告を行っております。多くの人に見てもらえる点、手軽に投稿ができる点や、「いいね」や「リツイート」によって情報を受け取る側の反応が可視化されている点で重宝しています。当委員会と似た他大学の団体とのつながりがつくれる点も魅力的です。Xを含めSNSは現在多くの人が日常的に利用するものとなっており、これをうまく利用していくことが広報をより効果的に行うことにつながると考えています。X以外にもInstagramの利用も検討しています。
<活動記録としての写真撮影 >
各部班が行うイベントに積極的に参加し、活動の様子を撮影しています。文字による活動の記録も大事ですが、その時の様子を写真でより鮮明に残すことは委員会の次の世代の活動に活かせると考えています。また委員会での思い出として各部班員の日々の活躍を記録しています。
イベント活動
< JUMP >
令和5年度も公立鳥取環境大学学生EMS委員会主催のもと、各地域で開催されるJUMP※に参加しました。JUMPとは、各地域のごみを拾い集め、集めたごみをもって正午に一斉にJUMPすることで、地球を軽くしようというコンセプトの清掃活動イベントです。 令和5年度も2つの班に分かれて大学周辺の清掃を行い、総量14㎏のごみを回収しました。
令和4年度より資源ごみの回収量が少なかった反面、処理の難しい粗大ごみの量が増加していました。
地域の方からの温かいお声がけもいただき、委員会生の環境マインドの向上にもつながり、不法投棄の防止活動、および定期的な清掃による環境保全活動の必要性を感じました。
< イオンモール津南でのイベント >
イオンモール津南にて「海の生き物レスキュー隊~海を守るのは君だ~」と称した対面イベントを実施しました。
若年層や家族連れを対象に、ゲームやワークショップを通じて楽しく環境について考える機会の提供、全世代を対象にイオンモール全体を使ったクイズラリーも同時開催し、幅広い世代の人に環境について関心を持ってもらう機会を提供し、パネル展示では三重大学や環境ISO学生委員会が取り組んでいる活動の広報を行いました。
イベントではごみのポイ捨てが環境に与える影響を遊びながら学ぶ的あてゲーム、イオンの建物全体を使ったクイズラリー、流木を使ってペン立てを作るワークショップといった企画を開催しました。
当日の参加者数は的あてが計71名、ワークショップが計18名と予想していたよりもたくさんの方に参加していただくことができました。
遊びを通して分別について学んだり、流木を再利用したりすることで環境に対する意識の向上をお客さんに啓発すると同時に、私たち委員会生にとってもモチベーションを向上させることができました。