3環境・SDGsコミュニケーション
科学的地域環境人材育成事業(SciLets)
- 4 質の高い教育をみんなに
<三重大学国際環境教育研究センター 環境リカレント教育推進部門> 丸山 直樹(部門長)
平成28年に始まったオンライン環境リカレント教育システム「科学的地域環境人材育成事業(サイレッツSciLets: Scientific, Local and Environmental ‘Talented Staff’)は、令和5年で8年目を迎えました。本事業の特徴は、広く社会人に開かれた教育システムとして、インターネットの活用により場所や時間を選ばずに受講できることです。また、学習の証として本学が認定する「科学的地域環境人材アナリスト」または「同 エキスパート」の認定が得られます。さらに、認定を得た後も継続して参加することにより、新しい環境情報を学ぶことができます(図1)。
令和5年7月時点で、10分野にわたって51の講義が公開されています(図2)。この間、環境関連の情報や技術の進展があり、令和4年には、全講座内容の見直しを行い、一部の講座では情報を更新しました。
1科目の講義は90分から構成されており、文化系科目である環境問題・環境評価法、環境関連法・行政から、理科系科目であるエネルギー技術・自然環境保護・生物多様性まで、地域環境に関する幅広い講義を受講することができます。令和4年度までの受講者状況を(図3)に示します。令和4年度末には1,300名を超え、令和5年7月には1,600名を超える方々に受講していただいています。14科目の受講とこれらの理解度確認テストに合格することでアナリストの認証を得ることができます。さらにエキスパートの認証は、アナリスト取得に加えて環境活動の実績や、大学生にとっては、環境関連の卒業研究または大学院での研究活動も対象としています。
今後、エキスパート認定者の増加が期待されます。
学生の受講に関しては、これまでは三重大学学生を対象とし、他大学の学生については一般受講生として参加していただいていました。現在では他大学からも関心をいただき、四日市大学ならびにトレンガヌ大学(マレーシア)と協働で実施しています。県内外の他大学からのご相談もあり、協働実施に向けて取り組んでいます。また、地方自治体との連携も進められ、本報告書に掲載されています「四日市CNXプロジェクト」の一環で、SciLetsを基礎とする「企業人材向けのカーボンニュートラル教育」にも取り組んでいます。さらに、自治体が連携パートナーとなる「集団受講」も進められています。
今後も多くの方々に関心を持っていただき、環境マインドの育成に貢献できることを期待しています。
Webページ:https://scienv.mie-u.ac.jp/
開講科目一覧:https://scienv.mie-u.ac.jp/courselist